RN7-073|公共・倫理 対策問題
批評家小林秀雄についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
『様々なる意匠』で流行のイデオロギーを借り物の意匠として退け、対象と直接向き合う近代批評を確立した
この問題のポイント
小林秀雄=『様々なる意匠』・近代批評の確立という位置づけと、イデオロギー批判の姿勢を問う問題。
解説
小林秀雄(1902〜83年)は、日本の近代批評の確立者とされる批評家である。
1929年の評論**『様々なる意匠』で文壇に登場した小林は、当時流行していたマルクス主義や芸術至上主義などのさまざまな主義・思想を、作品や現実を見ないで身にまとうだけの意匠**(デザイン・流行の衣装)にすぎないと批判した。既成の理論や主義という色眼鏡を通してではなく、対象そのものと自分の全存在で直接向き合い、そこで得た確信を自分の言葉で語ること。小林は批評をこうした独立した精神の営みへと高め、批評を一つの文学のジャンルとして確立した。
以後、『無常といふ事』では日本の古典と歴史への沈潜を、戦後の大作**『本居宣長』**では、もののあはれを説いた宣長の学問への共感を示すなど、生涯にわたり日本人の精神のあり方を問い続けた。
ひっかけポイント
小林はプロレタリア文学の理論をむしろ意匠として批判した側であり、指導者とする記述は正反対。『善の研究』は西田幾多郎の著作である。
選択肢の確認
①「民俗学の立場から常民の生活文化を研究した」
❌ 誤り。
誤答理由: 常民の生活文化の研究は柳田国男の民俗学であり、文芸批評家の小林の営みではない。
②「『善の研究』を著して純粋経験の哲学を打ち立てた」
❌ 誤り。
誤答理由: 『善の研究』は西田幾多郎の著作であり、小林の著作ではない。小林の晩年の大作は『本居宣長』である。
③「『様々なる意匠』で流行のイデオロギーを借り物の意匠として退け、対象と直接向き合う近代批評を確立した」
✅ 正しい。
正解。小林秀雄は『様々なる意匠』で流行のイデオロギーを借り物の意匠として退け、対象と直接向き合う近代批評を確立した。
④「プロレタリア文学の理論的指導者として、文学を階級闘争の武器と位置づけた」
❌ 誤り。
誤答理由: 小林はプロレタリア文学の理論をも意匠の一つとして批判したのであり、その理論的指導者とする記述は正反対である。
覚えるポイント
- 小林秀雄=『様々なる意匠』で近代批評を確立
- 借り物のイデオロギー(意匠)を退けた
- 晩年の大作は『本居宣長』
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。