RN7-070|公共・倫理 対策問題
柳田国男が明らかにした日本人の祖霊信仰の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
死者の霊は遠くへ去らず村里に近い山にとどまり、祖霊となって盆や正月に子孫のもとを訪れ、子孫を見守ると考えられてきたとした
この問題のポイント
祖霊は山にとどまり子孫を見守るという、柳田が描いた日本固有の死生観を問う問題。
解説
柳田国男は、晩年の**『先祖の話』(1946年)などで、民間伝承の分析から日本人固有の死生観を描き出した。
それによれば、日本人は古来、人は死んでも遠い他界へ去ってしまうのではなく、その霊は村里を見下ろす山にとどまると考えてきた。死後一定の年月を経て個性を失った霊は、清まって祖霊**(先祖の霊)となり、盆や正月などの折々に子孫の家を訪れ、また春には山の神・田の神として里に降りて稲作を守り、秋にはまた山へ帰る。祖霊は常に子孫の暮らしの近くにあって、これを見守り続けるのである。
死者と生者が身近に共存するこの死生観は、仏教の極楽往生の観念とは異なる、日本の固有信仰の基層をなすものとされた。氏神の祭りや先祖供養の習俗も、この祖霊信仰の表れとして説明される。
ひっかけポイント
「遠い他界へ去って戻らない」という理解(極楽往生など)との対比が核心。祖霊は山にとどまり、盆・正月に往き来するという近さが日本的特徴とされた。
選択肢の確認
①「日本人は死後の霊魂の存在をまったく信じてこなかったとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 柳田はむしろ日本人が死後の霊魂の存続を信じ、祖霊を祀り続けてきたことを明らかにした。全否定は正反対である。
②「死者の霊は遠くへ去らず村里に近い山にとどまり、祖霊となって盆や正月に子孫のもとを訪れ、子孫を見守ると考えられてきたとした」
✅ 正しい。
正解。柳田は、死者の霊は山にとどまって祖霊となり、盆や正月に子孫を訪れて見守り続けるという固有の死生観を描いた。
③「死者の霊は直ちに西方の極楽浄土へ往生し、二度と現世に戻らないと考えられてきたとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 直ちに極楽へ往生し戻らないというのは仏教的死後観であり、柳田が描いた固有信仰では霊は身近な山にとどまる。
④「死者の霊は星になって天空に昇り、地上とは無関係になると考えられてきたとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 星になって地上と無関係になるという観念は柳田の描いた祖霊信仰にはなく、祖霊は子孫の暮らしの近くにあり続ける。
覚えるポイント
- 死者の霊は山にとどまり祖霊となる
- 盆・正月に子孫を訪れ、田の神とも往来
- 仏教とは異なる固有信仰の死生観(『先祖の話』)
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。