RN-C4-01|公共・倫理 対策問題
近代日本の思想家についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
西田幾多郎は『善の研究』で、主観と客観が分かれる以前の直接的な経験である純粋経験こそ真の実在であるとした
この問題のポイント
近代日本の思想家を問う問題。「西田幾多郎=純粋経験・『善の研究』」「和辻哲郎=間柄的存在」「福沢諭吉=実学・独立自尊」の対応で解ける。
解説
明治の啓蒙思想家福沢諭吉は、「天は人の上に人を造らず」(要旨)と天賦人権を説き、数理と実証に基づく実学を学んで一人ひとりが独立自尊を確立することが、国の独立を支えるとした(『学問のすゝめ』)。
西洋哲学と東洋の伝統(禅の体験)を統合しようとしたのが西田幾多郎である。主著『善の研究』で、西洋近代哲学が前提としてきた主観(見る私)と客観(見られる物)の対立以前の、主客未分の直接的な経験を純粋経験と呼び、それこそが真の実在であるとした。音楽に没入して我を忘れているときのような経験がその例である。
和辻哲郎は、西洋近代の倫理学が人間を孤立した個人としてとらえてきたことを批判した。日本語の「人間」が「人の間」を意味するように、人間は個人であると同時に社会の成員でもある間柄的存在であり、倫理は人と人との間柄において成立するとして、『人間の学としての倫理学』を著した。
ひっかけポイント
西田(純粋経験)と和辻(間柄的存在)の著書・学説の入れ替えが最頻出。和辻は個人主義的人間観の批判者であり、「個人としてのみとらえる」は正反対。
選択肢の確認
①「福沢諭吉は、東洋の伝統道徳への回帰を唱えて、実学を学ぶことを退けた」
❌ 誤り。
誤答理由: 福沢諭吉は数理と実証に基づく実学を勧め、独立自尊を説いた。伝統道徳への回帰や実学の否定はその主張と正反対である。
②「西田幾多郎は、人間を人と人との間柄においてとらえる『人間の学としての倫理学』を著した」
❌ 誤り。
誤答理由: 『人間の学としての倫理学』を著し間柄的存在を論じたのは和辻哲郎である。西田幾多郎の主著は『善の研究』である。
③「西田幾多郎は『善の研究』で、主観と客観が分かれる以前の直接的な経験である純粋経験こそ真の実在であるとした」
✅ 正しい。
正解。西田幾多郎は『善の研究』で、主客未分の直接的経験である純粋経験こそ真の実在であるとした。
④「和辻哲郎は、人間を社会から切り離された個人としてのみとらえる倫理学を打ち立てた」
❌ 誤り。
誤答理由: 和辻哲郎は人間を間柄的存在ととらえ、個人としてのみとらえる西洋近代の倫理学をむしろ批判した。
覚えるポイント
- 西田幾多郎=純粋経験・主客未分・『善の研究』
- 和辻哲郎=間柄的存在・『人間の学としての倫理学』
- 福沢諭吉=実学・独立自尊・天賦人権
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。