RN-C3-01公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

江戸時代の思想についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

本居宣長は『古事記伝』を著し、儒教や仏教の影響である漢意を排して、ありのままの感情に基づく真心やもののあはれを重んじた

この問題のポイント

近世日本の学派と思想家の対応を問う問題。「本居宣長=国学・もののあはれ・漢意批判」「伊藤仁斎=古義学・誠」「荻生徂徠=古文辞学・経世済民」の対応で解ける。

解説

江戸時代には、朱子学の観念的な解釈を離れ、古典を直接読み直す学問が発展した。
儒学では、伊藤仁斎が『論語』『孟子』を原文に即して読む古義学を提唱し、日常の人間関係における愛(仁)と、偽りのない純粋な心であるを道徳の中心に置いた。荻生徂徠は古代中国の言葉を研究する古文辞学を立て、儒学の道とは個人の道徳修養ではなく、古代の聖人が作った制度・文物(先王の道)であり、学問の目的は世を治め民を救う経世済民にあるとした。
こうした方法を日本の古典に向けたのが国学である。大成者本居宣長は、35年をかけて『古事記伝』を著した。宣長は、儒教や仏教に影響された、理屈で物事を判断する心を漢意(からごころ)と呼んで排し、生まれながらの自然で素直な心である真心に返ることを説いた。文学の本質も、道徳的な教訓ではなく、物事に触れて生じるしみじみとした感動、すなわち「もののあはれ」を知ることにあるとし、『源氏物語』を高く評価した。

ひっかけポイント
仁斎(誠・古義学)と徂徠(経世済民・古文辞学)と宣長(国学・もののあはれ)の業績の入れ替えが定番。宣長は漢意を「排した」のであり、理想としたとする逆転に注意。

選択肢の確認

①「伊藤仁斎は、『古事記』の実証的な研究を通じて古代日本の道を明らかにする国学を大成した」
誤り。
誤答理由: 『古事記』研究による国学の大成は本居宣長の業績である。伊藤仁斎は『論語』などを原文に即して読む古義学を提唱した。

②「荻生徂徠は、日常の人間関係における愛と真実無偽の心である誠を道徳の中心に置いた」
誤り。
誤答理由: 誠を道徳の中心に置いたのは伊藤仁斎である。荻生徂徠は古文辞学を立て、経世済民を学問の目的とした。

③「本居宣長は、漢意を身につけることこそ日本人の理想的な生き方であると説いた」
誤り。
誤答理由: 宣長は漢意を儒仏に染まった心として排し、生まれながらの真心に返ることを説いた。漢意の習得を理想とする説明は正反対である。

④「本居宣長は『古事記伝』を著し、儒教や仏教の影響である漢意を排して、ありのままの感情に基づく真心やもののあはれを重んじた」
正しい。
正解。本居宣長は『古事記伝』を著して国学を大成し、漢意を排して真心やもののあはれを重んじた。

覚えるポイント

  • 本居宣長=『古事記伝』・漢意批判・真心・もののあはれ
  • 伊藤仁斎=古義学・誠、荻生徂徠=古文辞学・経世済民
  • 国学は儒仏以前の日本古来の道を古典に求めた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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