RN7-028公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

江戸幕府に仕えた朱子学者林羅山の思想の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

天地に上下があるように人間社会の身分秩序も天の理にかなうとする上下定分の理を説き、幕藩体制を思想的に支えた

この問題のポイント

林羅山の上下定分の理が身分秩序の正当化の論理であったことを問う問題。

解説

林羅山(1583〜1657年)は、近世朱子学の祖とされる藤原惺窩に学び、その推挙で徳川家康に仕えて以来、四代の将軍に仕えた儒学者である。
羅山の思想の中心は上下定分の理である。天が上にあり地が下にあるように、人間社会にも君臣・父子などの上下の身分秩序が定まっており、それは天の理にかなった動かしがたいものだとした。この論理は、士農工商の身分制に立つ幕藩体制を思想的に正当化する役割を果たした。
また羅山は、心の中に敬(つつしみ)を保ち、外面には上下の秩序に応じた礼儀を保つべきだとする存心持敬を説いた。私利私欲を抑えるつつしみの態度が、秩序ある社会を支えると考えたのである。
林家は代々幕府の学問を担い、朱子学は幕府の官学としての地位を固めていった。

ひっかけポイント
身分制の正当化が羅山の立場であり、平等・身分撤廃の主張は正反対。陽明学からの朱子学批判は中江藤樹、古代の日本の道の探究は国学の立場である。

選択肢の確認

①「孝を万物の根本原理とみる陽明学の立場から、形式化した朱子学を批判した」
誤り。
誤答理由: 孝を根本原理として朱子学を批判したのは陽明学の中江藤樹であり、朱子学者の羅山とは学派が異なる。

②「古代の言葉の研究を通じて、儒教渡来以前の日本固有の道を明らかにしようとした」
誤り。
誤答理由: 古代の言葉から日本固有の道を探究したのは国学(真淵・宣長ら)であり、儒学者の羅山の学問ではない。

③「天地に上下があるように人間社会の身分秩序も天の理にかなうとする上下定分の理を説き、幕藩体制を思想的に支えた」
正しい。
正解。林羅山は天地の上下になぞらえて身分秩序を天の理とする上下定分の理を説き、幕藩体制を思想的に支えた。

④「武士も農民も本来平等であるとして、身分制度の撤廃を幕府に建言した」
誤り。
誤答理由: 羅山は身分秩序の正当化を説いたのであり、平等論や身分制撤廃の建言は立場と正反対である。

覚えるポイント

  • 林羅山=上下定分の理で身分秩序を正当化
  • 存心持敬=敬(つつしみ)を心に保つ
  • 藤原惺窩に学び、朱子学は幕府の官学へ

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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