RN7-050公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

江戸時代の蘭学の発展についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

杉田玄白・前野良沢らはオランダ語の解剖書を苦心の末に翻訳して『解体新書』を刊行し、実証的な学風の発展を促した

この問題のポイント

『解体新書』の翻訳という蘭学史上の画期と、その実証的意義を問う問題。

解説

8代将軍徳川吉宗が漢訳洋書の輸入制限を緩めたことを契機に、オランダ語を通じて西洋の学術を研究する蘭学が発展した。
その画期となったのが、杉田玄白・前野良沢らによるオランダ語解剖書『ターヘル・アナトミア』の翻訳である。玄白らは刑死者の腑分け(解剖)を実見し、図の正確さに驚嘆して翻訳を決意、辞書もない中での苦闘の末、1774年に**『解体新書』として刊行した。晩年の玄白はその苦心を回想録『蘭学事始』に記している。
『解体新書』は、観念的な理論よりも
実験・実測による事実**を重んじる実証的精神を広め、医学にとどまらず天文学・地理学など蘭学全体の発展を促した。こうした合理的・実証的な学風は、幕末の洋学、さらには明治の近代科学受容の土台となっていく。

ひっかけポイント
『解体新書』はオランダ語(西洋)解剖書の翻訳であり、漢方の書ではない。またキリスト教は禁教のままで、蘭学は宗教と切り離された実用の学だった点に注意。

選択肢の確認

①「蘭学はもっぱらキリスト教の布教を目的として幕府が奨励した学問である」
誤り。
誤答理由: キリスト教は江戸時代を通じて禁教であり、蘭学は宗教と切り離された実用の学として発展した。布教目的の奨励という記述は誤り。

②「『解体新書』は中国の古典医学書を和訳したものである」
誤り。
誤答理由: 『解体新書』は中国医学書の和訳ではなく、オランダ語の解剖書『ターヘル・アナトミア』の翻訳である。

③「蘭学者たちは西洋の学問を全面的に否定し、漢方医学の純化に努めた」
誤り。
誤答理由: 蘭学者は西洋の学問を摂取した側であり、西洋の学問を否定して漢方の純化に努めたという記述は正反対である。

④「杉田玄白・前野良沢らはオランダ語の解剖書を苦心の末に翻訳して『解体新書』を刊行し、実証的な学風の発展を促した」
正しい。
正解。杉田玄白・前野良沢らはオランダ語解剖書を苦心の末に翻訳して『解体新書』を刊行し、実証的な学風の発展を促した。

覚えるポイント

  • 杉田玄白・前野良沢ら『解体新書』(1774年)
  • 玄白の回想録が『蘭学事始』
  • 実験・実証を重んじる学風を日本に広めた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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