RN7-051公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

幕末の思想家佐久間象山が唱えた「東洋道徳、西洋芸術」の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

道徳・精神の面では東洋の教えを保ちつつ、技術・科学の面では西洋の優れた文物を摂取すべきだとする考え方である

この問題のポイント

「東洋道徳、西洋芸術」=精神は東洋・技術は西洋という和魂洋才型の受容論を問う問題。

解説

佐久間象山(1811〜64年)は信州松代藩の兵学者・思想家で、朱子学を修めたのち、アヘン戦争での清の敗北に衝撃を受けて西洋の砲術・科学の研究に転じた。
象山の立場を示すのが「東洋道徳、西洋芸術」という言葉である。ここでの芸術とは技術・科学のことで、人倫の道徳においては儒教を中心とする東洋の教えを堅持しつつ、軍事・科学技術においては西洋の優れた文物を積極的に学び取るべきだとした。精神と技術を切り分けて西洋文明を受容するこの型は、和魂洋才の典型とされ、幕末から明治の近代化を導く基本的な発想となった。
象山の門下からは吉田松陰・勝海舟らが育ったが、象山自身は開国佐幕の立場を疑われ、京都で攘夷派に暗殺された。

ひっかけポイント
全面西洋化でも攘夷・鎖国でもない「道徳=東洋、技術=西洋」の使い分けが核心。芸術を美術の意味に取り違えさせる選択肢にも注意。

選択肢の確認

①「西洋の芸術作品を輸入し、東洋の道徳を海外に輸出して貿易の利益を上げるべきだとする考え方である」
誤り。
誤答理由: ここでの芸術は美術作品ではなく技術・科学のことであり、貿易による利益の議論でもない。

②「西洋との接触をいっさい断ち、鎖国体制を永久に維持すべきだとする考え方である」
誤り。
誤答理由: 象山は西洋技術の積極的な導入を説いた開国論者であり、鎖国の永久維持とは正反対の立場である。

③「道徳・精神の面では東洋の教えを保ちつつ、技術・科学の面では西洋の優れた文物を摂取すべきだとする考え方である」
正しい。
正解。東洋道徳、西洋芸術は、道徳・精神は東洋の教えを保ち、技術・科学は西洋から摂取すべきだとする象山の受容論である。

④「道徳も技術もすべて西洋のものに全面的に取り替えるべきだとする考え方である」
誤り。
誤答理由: 象山は道徳の面では東洋の教えを堅持すべきだとしたのであり、道徳まで含めた全面西洋化の主張ではない。

覚えるポイント

  • 佐久間象山=東洋道徳、西洋芸術
  • 芸術とは技術・科学のこと(和魂洋才)
  • 幕末・明治の西洋文明受容の基本型となる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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