RN7-034|公共・倫理 対策問題
古義学を唱えた伊藤仁斎の学問の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
後世の注釈を排して『論語』『孟子』を直接読み、孔子本来の教えの意味(古義)を明らかにしようとした
この問題のポイント
古義学の方法(後世の注釈を排し原典の古義に帰る)を、朱子学・古文辞学・国学と区別して問う問題。
解説
伊藤仁斎(1627〜1705年)は京都堀川の町人出身の儒学者で、私塾古義堂を開いた。
仁斎は、朱子学が理気の形而上学によって孔子の教えを解釈することに疑問を抱き、朱子らの後世の注釈をいったん脇に置いて、『論語』『孟子』そのものを熟読し、そこに記された言葉の本来の意味=古義を直接つかもうとした。この学問を古義学という。
仁斎は『論語』を「最上至極宇宙第一の書」と呼んで尊び、その教えの核心を、日常の人間関係の中で人を愛する仁愛に見いだした。主著に**『童子問』**『語孟字義』がある。
聖人の道を遠い形而上の理にではなく、卑近な日常の人倫の中に求めたところに、古義学の人間味豊かな特徴がある。
ひっかけポイント
同じ古学系でも、古義学(仁斎・論語孟子の古義)と古文辞学(徂徠・六経と制度)の方法の違いが頻出。『古事記』研究は本居宣長で国学の営みである。
選択肢の確認
①「『古事記』の実証的研究を通じて、日本古来の道を明らかにしようとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 『古事記』の実証的研究で日本古来の道を求めたのは本居宣長(国学)であり、儒学者仁斎の学問ではない。
②「後世の注釈を排して『論語』『孟子』を直接読み、孔子本来の教えの意味(古義)を明らかにしようとした」
✅ 正しい。
正解。伊藤仁斎は後世の注釈を排して『論語』『孟子』を直接読み、孔子本来の古義を明らかにする古義学を唱えた。
③「朱子の注釈こそ孔子の真意を伝えるものとして、朱子学の体系化に努めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 仁斎は朱子の注釈による解釈をこそ疑い、原典に直接向き合った。朱子学の体系化はむしろ批判の対象である。
④「中国古代の文章の言葉づかい(古文辞)の研究を通じて、六経の制度文物を明らかにしようとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 古文辞の研究から六経の制度文物に向かったのは荻生徂徠の古文辞学であり、論語・孟子の古義を求めた仁斎と方法が異なる。
覚えるポイント
- 伊藤仁斎=古義学・古義堂・『童子問』
- 『論語』は最上至極宇宙第一の書
- 教えの核心を日常の仁愛に見いだした
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。