RN9-049公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

古学派の伊藤仁斎と荻生徂徠の立場の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

仁斎は日常の人間関係における仁愛と誠を重んじたのに対し、徂徠は道を天下を安んじる政治制度ととらえ経世済民を説いた

この問題のポイント

古学派内部の対比。道を日常道徳とみる仁斎と、政治制度とみる徂徠の違いが問われる。

解説

江戸時代の古学派は、朱子学の解釈を退けて孔子・孟子の原典に直接立ち返ろうとした。
伊藤仁斎は『論語』を「最上至極宇宙第一の書」と尊び、古義学を唱えた。彼は道を日常の人間関係における人倫日用の道ととらえ、その核心を他者への親愛の情である仁愛に求めた。そして自他に偽りのない純粋な心であるを、仁愛を支える根本の徳とした。
一方荻生徂徠は、古文辞学を唱えて古代中国の言葉を直接研究し、道とは個人の道徳ではなく、古代の聖人(先王)が天下を安んじるために作った礼楽刑政の制度、すなわち先王の道(安天下の道)であるとした。学問の目的は世を治め民を救う経世済民にあるとし、政治と道徳を切り離した点で近代的発想の先駆とも評される。

ひっかけポイント
日常道徳と政治制度の対応の入れ替えが定番。仁愛・誠の仁斎、先王の道・経世済民の徂徠と対応させる。

選択肢の確認

①「両者はともに、儒学を退けて仏教による救いを説いた」
誤り。
誤答理由: 両者はともに儒学の内部で古典の真意を探究した学者であり、儒学を退けて仏教に向かったという説明は誤りである。

②「仁斎は日常の人間関係における仁愛と誠を重んじたのに対し、徂徠は道を天下を安んじる政治制度ととらえ経世済民を説いた」
正しい。
正解。伊藤仁斎は道を人倫日用の道とみて仁愛と誠を重んじ、荻生徂徠は道を先王が定めた礼楽刑政の制度(安天下の道)とみて経世済民を学問の目的とした。

③「仁斎は道を政治制度としてとらえたのに対し、徂徠は日常道徳としての誠だけを問題にした」
誤り。
誤答理由: 二人の道のとらえ方が入れ替わっている。日常道徳の仁斎、政治制度の徂徠である。

④「両者はともに、朱子学の解釈こそが孔子の真意を正しく伝えていると考えた」
誤り。
誤答理由: 両者は朱子学の解釈を退けて原典に立ち返る古学派であり、朱子学を正統とする説明は正反対である。

覚えるポイント

  • 仁斎は古義学で仁愛と誠を重視
  • 徂徠は古文辞学で先王の道・経世済民
  • ともに朱子学を批判し原典回帰を目指した

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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