RN9-050公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

国学者の賀茂真淵と本居宣長の立場の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

真淵は万葉集に男性的でおおらかなますらをぶりを見いだしたのに対し、宣長は女性的で優美なたをやめぶりやもののあはれを重んじた

この問題のポイント

国学の師弟の対比。ますらをぶり(真淵)とたをやめぶり・もののあはれ(宣長)の対応が問われる。

解説

国学は、儒教や仏教が入る以前の日本古来の精神を、古典の実証的研究によって明らかにしようとする学問である。
賀茂真淵は『万葉集』を研究し、そこに男性的でおおらかな歌風「ますらをぶり」と、素朴で力強い「高く直き心」を見いだして、これを日本人本来の理想とした。
弟子の本居宣長は、師の万葉尊重を受け継ぎつつも違う方向へ進んだ。『古今和歌集』や『源氏物語』の女性的で優美な歌風「たをやめぶり」を重んじ、文芸の本質は物事に触れて心が動く「もののあはれ」を知ることにあるとした。さらに『古事記伝』を著し、理屈で判断する漢意を排して、ありのままの真心に立ち返ることを説いた。
同じ国学でも、理想とする歌風と古典が師弟で対照的である点が問われやすい。

ひっかけポイント
ますらをぶりとたをやめぶりの担い手の入れ替えが定番。万葉集の真淵、源氏物語・古事記伝の宣長という古典との組み合わせで覚える。

選択肢の確認

①「両者はともに、和歌や物語の研究は学問の対象にならないと考えた」
誤り。
誤答理由: 両者はまさに和歌や物語の実証的研究を通じて古代の心を探った国学者であり、文芸研究を否定する説明は誤りである。

②「真淵は万葉集に男性的でおおらかなますらをぶりを見いだしたのに対し、宣長は女性的で優美なたをやめぶりやもののあはれを重んじた」
正しい。
正解。賀茂真淵は『万葉集』に男性的でおおらかなますらをぶりと高く直き心を見いだし、本居宣長は優美なたをやめぶりを重んじ、もののあはれを文芸の本質とした。

③「真淵は源氏物語のもののあはれを重んじたのに対し、宣長は万葉集のますらをぶりを理想とした」
誤り。
誤答理由: 師弟の理想が入れ替わっている。万葉集とますらをぶりが真淵、源氏物語ともののあはれが宣長である。

④「両者はともに、儒教道徳こそが日本人の理想の心のあり方だと考えた」
誤り。
誤答理由: 国学は儒教・仏教渡来以前の日本古来の精神を求める学問であり、儒教道徳を理想とする説明は正反対である。

覚えるポイント

  • 真淵は万葉集のますらをぶり・高く直き心
  • 宣長はたをやめぶり・もののあはれ・真心
  • 宣長の主著は『古事記伝』

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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