RN7-029公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(3) 近世の思想(儒学・国学・民衆思想)

江戸時代に朱子学が幕藩体制を支える学問として重んじられた理由の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

理を万物の秩序の原理とみて、身分秩序や礼儀を重んじる思想が、安定した支配秩序の維持に適合したから

この問題のポイント

朱子学の理の思想と封建的身分秩序との適合性を問う問題。

解説

朱子学は南宋の朱子(朱熹)が大成した儒学で、宇宙の万物は原理としてのと素材としてのから成るとする(理気二元論)。人間社会の道徳や身分秩序もまた理の現れとされ、人は私欲を抑えて理を窮め(窮理)、つつしみの態度を保つ(居敬)ことが求められる。
この思想は、君臣・父子の別といった上下の秩序を天の理として基礎づけるため、身分制に立つ幕藩体制の支配を安定させる論理として適合的だった。江戸幕府は藤原惺窩・林羅山以来の朱子学を重んじ、やがて寛政異学の禁では朱子学を正学と位置づけた。
このように近世日本では、仏教に代わって儒学、とりわけ朱子学が政治と道徳を支える学問の中心となり、そこから陽明学や古学など、朱子学を批判する多様な儒学の展開も生まれていった。

ひっかけポイント
朱子学は秩序維持の学であり、平等や革命を説く思想ではない。来世の救済(宗教)や商業利益の肯定(心学など)と混同させる選択肢に注意。

選択肢の確認

①「商業利益の追求を最高の徳とする思想が、幕府の重商主義政策を支えたから」
誤り。
誤答理由: 商業利益の追求を徳とする思想ではない。商人の営利の正当化はむしろ石田梅岩の心学などが担った主題である。

②「理を万物の秩序の原理とみて、身分秩序や礼儀を重んじる思想が、安定した支配秩序の維持に適合したから」
正しい。
正解。朱子学は理を秩序の原理とみて身分秩序や礼儀を重んじるため、幕藩体制の安定維持に適合し官学として重んじられた。

③「すべての人間の平等と革命の権利を説く思想が、幕府の改革方針に合致したから」
誤り。
誤答理由: 朱子学は上下の秩序を天理として重んじる学問であり、万人の平等や革命の権利を説く思想ではない。

④「来世での救済を約束する宗教として、民衆の不満をそらすのに役立ったから」
誤り。
誤答理由: 朱子学は来世の救済を説く宗教ではなく、現世の道徳と秩序を論じる学問である。

覚えるポイント

  • 朱子学は理気二元論・居敬窮理の学
  • 身分秩序を理として正当化し幕藩体制に適合
  • 寛政異学の禁で正学とされた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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