RN-D1-01|公共・倫理 対策問題
生命倫理に関する日本の制度についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
2009年の臓器移植法改正により、本人の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば臓器提供が可能となり、15歳未満の者からの提供も行われるようになった
この問題のポイント
生命倫理の基本概念と臓器移植法改正を問う問題。「改正で家族承諾・15歳未満が可能に」という制度変更と、インフォームド・コンセント、QOLの正しい定義で解ける。
解説
医療技術の発達は、生と死をめぐる新しい倫理的課題を生んだ。
1997年の臓器移植法は、脳死からの臓器提供を、本人の書面による意思表示と家族の同意がある場合に限って認めた。このため提供数は少なく、15歳未満の意思表示は認められなかったため、小児の患者は海外渡航に頼らざるをえなかった。2009年の改正で、本人の意思が不明でも家族の承諾があれば提供が可能となり、15歳未満からの提供も道が開かれた。
医療の現場では、患者の自己決定権の尊重が原則となっている。医師が病状や治療法を十分に説明し、患者が理解・納得した上で同意するインフォームド・コンセントはその中心であり、医師への一任とは正反対の考え方である。
また、延命の長さだけでなく、その人らしい生の内容を重んじるQOL(生命の質)の考え方は、生命の絶対的尊重(SOL)と対比され、終末期医療のあり方に関わっている。なお日本ではクローン技術規制法(2000年)により、クローン人間の作成は禁止されている。
ひっかけポイント
改正前(本人の書面意思が必須・15歳未満不可)と改正後の内容の入れ替えが定番。インフォームド・コンセントを「医師への一任」、QOLを「延命最優先」とするのはいずれも逆の説明。
選択肢の確認
①「2009年の臓器移植法改正により、本人の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば臓器提供が可能となり、15歳未満の者からの提供も行われるようになった」
✅ 正しい。
正解。2009年の臓器移植法改正により、本人の意思が不明でも家族の承諾で臓器提供が可能となり、15歳未満からの提供にも道が開かれた。
②「インフォームド・コンセントとは、患者に説明を行わず、治療方針の決定を医師に一任させることをいう」
❌ 誤り。
誤答理由: インフォームド・コンセントは、医師の十分な説明を受けて患者が理解・納得した上で同意することであり、医師への一任とは正反対である。
③「日本では、クローン技術規制法によってクローン人間の作成が認められている」
❌ 誤り。
誤答理由: 日本ではクローン技術規制法(2000年)によりクローン人間の作成は禁止されている。
④「QOL(生命の質)とは、患者本人の意向にかかわらず、延命を最優先すべきだとする考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: QOL(生命の質)はその人らしい生の内容を重んじる考え方であり、意向を無視した延命の最優先はむしろ対立する発想である。
覚えるポイント
- 2009年改正=家族承諾で提供可・15歳未満も可能に
- インフォームド・コンセント=説明と同意(自己決定権)
- QOL(生命の質)とSOL(生命の尊厳)の対比、クローン人間作成は禁止
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。