RN9-061|公共・倫理 対策問題
妊娠中の胎児に染色体の変化などがあるかを調べる出生前診断をめぐる倫理的課題についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
診断の結果が人工妊娠中絶の選択につながる場合があり、生まれる前の命の選別や障害のある人の生の否定につながりかねないという懸念が指摘されている
この問題のポイント
出生前診断がはらむ「命の選別」という倫理的論点を理解しているかを問う。自己決定と障害者の生の尊重の緊張関係が軸。
解説
出生前診断は、妊娠中に胎児の染色体の変化や病気の可能性を調べる検査である。妊婦の血液で調べられる新型出生前診断(NIPT)の登場により検査は身近になった。
検査には、出産や育児の準備ができるという意義がある一方で、重い倫理的課題が伴う。診断結果によって人工妊娠中絶が選択される場合があり、これは生まれる前の命の選別にあたるのではないか、また特定の障害を理由とする中絶が広がれば、現に障害をもって生きている人々の生の否定につながりかねないのではないか、という懸念である。
検査を受けるかどうか、結果をどう受け止めるかは当事者の自己決定に委ねられるが、その決定が社会の障害観に影響される以上、個人の選択だけの問題では済まない。十分な遺伝カウンセリングの提供など、悩む当事者を支える体制の整備が求められている。
ひっかけポイント
検査の義務化や結果の非通知といった事実に反する記述で消去させる形が定番。命の選別という中心論点を含む選択肢を選ぶ。
選択肢の確認
①「診断はすべての妊婦に法律で義務づけられており、受けるかどうかを選ぶ余地はない」
❌ 誤り。
誤答理由: 出生前診断は義務ではなく、受けるかどうかは本人の選択に委ねられている。義務化という説明は事実に反する。
②「診断の結果はどのような場合でも本人に知らされないため、倫理的な問題は生じない」
❌ 誤り。
誤答理由: 診断結果は本人に説明され、それを踏まえた選択が問題になるからこそ倫理的課題が生じる。非通知という前提が誤りである。
③「診断技術の精度が完全であるため、検査結果をめぐって悩む人は存在しない」
❌ 誤り。
誤答理由: 検査には偽陽性などの限界があり、結果の受け止めをめぐって当事者は深く悩む。だからこそ遺伝カウンセリングの支援が求められている。
④「診断の結果が人工妊娠中絶の選択につながる場合があり、生まれる前の命の選別や障害のある人の生の否定につながりかねないという懸念が指摘されている」
✅ 正しい。
正解。出生前診断は結果が中絶の選択につながる場合があり、命の選別や、障害をもって生きる人々の生の否定につながりかねないという懸念が中心的論点である。
覚えるポイント
- 出生前診断は命の選別につながる懸念がある
- 障害のある人の生の否定という論点を含む
- 遺伝カウンセリングによる支援が重要
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。