RN9-060公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(1) 生命倫理

体外受精や代理出産などの生殖補助医療をめぐる倫理的課題についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

代理出産では、産んだ女性と依頼した女性のどちらが母親かという親子関係の複雑化や、女性の身体を手段として扱うことへの懸念が指摘されている

この問題のポイント

生殖補助医療、特に代理出産をめぐる倫理的論点を整理できているかを問う。親子関係の複雑化と身体の手段化が代表的論点。

解説

不妊治療の技術として、精子と卵子を体外で受精させる体外受精は日本でも広く行われており、多くの子どもが誕生している。技術の進歩は子を望む人々に道を開く一方、新たな倫理的課題を生んだ。
代理出産(代理懐胎)は、依頼者の受精卵などを別の女性の子宮に移して出産してもらう方法である。そこでは、産んだ女性と依頼した女性のどちらを母とするかという親子関係の混乱、報酬を伴う場合に経済的に弱い立場の女性の身体が生殖の手段として利用されるという搾取の懸念、生まれる子の福祉などが問題となる。日本では学会が自主規制しており、公的なルールの整備が議論されている。
第三者の精子・卵子の提供では、子どもが遺伝上の親を知る出自を知る権利も重要な論点である。カントの「人格を単なる手段として扱うな」という原理が、この問題を考える手がかりとしてよく参照される。

ひっかけポイント
技術的に可能であることと倫理的に許されることを同一視させる選択肢が定番。子の福祉や身体の手段化という論点の有無で判断する。

選択肢の確認

①「代理出産では、産んだ女性と依頼した女性のどちらが母親かという親子関係の複雑化や、女性の身体を手段として扱うことへの懸念が指摘されている」
正しい。
正解。代理出産では産んだ女性と依頼者のどちらを母とするかという親子関係の複雑化や、経済的に弱い立場の女性の身体の手段化・搾取への懸念が代表的な論点である。

②「生殖補助医療は自然の生殖と全く変わらないため、倫理的な問題は一切生じないとされている」
誤り。
誤答理由: 生殖補助医療は第三者の関与や親子関係の変化など自然生殖にない問題を生じさせるため、倫理的問題が一切ないという説明は誤りである。

③「体外受精は日本では全面的に禁止されており、実施例は存在しない」
誤り。
誤答理由: 体外受精は日本で広く実施されており、多くの子どもが誕生している。全面禁止という説明は事実に反する。

④「生まれてくる子どもの福祉は、生殖補助医療の是非を考える際に考慮する必要がない」
誤り。
誤答理由: 生まれてくる子の福祉は生殖補助医療の是非を考える中心的な考慮事項であり、考慮不要という説明は倫理的議論の前提に反する。

覚えるポイント

  • 代理出産は母子関係の複雑化が大きな論点
  • 女性の身体の手段化・搾取への懸念がある
  • 出自を知る権利も生殖補助医療の重要論点

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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