RN9-059公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(1) 生命倫理

安楽死と尊厳死の区別についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

薬物投与などにより死期を意図的に早めるのが積極的安楽死であり、延命治療を差し控えたり中止したりして自然な死を迎えるのが尊厳死である

この問題のポイント

積極的安楽死と尊厳死(消極的安楽死)の区別を問う。死期を早める積極的行為の有無が区別の軸になる。

解説

終末期の死のあり方をめぐる概念は、行為の性質で区別される。
積極的安楽死は、耐えがたい苦痛に苦しむ患者の求めに応じ、医師が致死薬の投与などの積極的な行為によって死期を早めることである。オランダなどでは厳格な要件のもとで法制化されているが、日本では認める法律はなく、判例が示した厳しい要件を満たさない限り殺人罪などに問われうる。
これに対し尊厳死は、回復の見込みがない場合に人工呼吸器の装着や胃ろうなどの延命治療を差し控え・中止し、自然の経過で死を迎えることであり、消極的安楽死とも呼ばれる。本人の意思(リヴィング・ウィル)の尊重が前提とされ、日本では終末期医療のガイドラインに基づく運用が行われているが、これも明確な法制化はされていない。
生と死をめぐる自己決定権の範囲がどこまで及ぶかという、生命倫理の根本問題がここにある。

ひっかけポイント
積極的(死期を早める行為)と消極的(治療の差し控え)の内容の入れ替えが定番。どちらも日本では法制化されていない点も注意。

選択肢の確認

①「薬物投与などにより死期を意図的に早めるのが積極的安楽死であり、延命治療を差し控えたり中止したりして自然な死を迎えるのが尊厳死である」
正しい。
正解。死期を早める積極的行為によるのが積極的安楽死、延命治療の差し控え・中止によって自然な死を迎えるのが尊厳死(消極的安楽死)である。

②「延命治療を中止するのが積極的安楽死であり、薬物投与で死期を早めるのが尊厳死である」
誤り。
誤答理由: 積極的安楽死と尊厳死の内容が入れ替わっている。行為による死期の短縮が積極的安楽死である。

③「安楽死と尊厳死は全く同じ内容を指す言葉であり、区別する必要はない」
誤り。
誤答理由: 死期を早める行為の有無という重要な違いがあり、両者は倫理的にも法的にも区別して論じられる。

④「どちらも日本では法律で明確に認められており、医師は自由に実施できる」
誤り。
誤答理由: 日本では積極的安楽死も尊厳死も法制化されておらず、医師が自由に実施できるという説明は誤りである。

覚えるポイント

  • 積極的安楽死は行為によって死期を早める
  • 尊厳死(消極的安楽死)は延命治療の差し控え・中止
  • 日本ではいずれも法制化されていない

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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