RN6-001公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(1) ルネサンスと宗教改革

ルネサンス期の思想家ピコ・デラ・ミランドラが『人間の尊厳について』で示した人間観として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

人間は自由意志によって自らのあり方を選び取ることができ、そこに人間の尊厳があるとした

この問題のポイント

ルネサンスの人間観を代表するピコ・デラ・ミランドラの主張を問う問題。「自由意志=人間の尊厳の根拠」という結びつきで解ける。

解説

イタリア・ルネサンスの思想家ピコ・デラ・ミランドラは、演説草稿『人間の尊厳について』で新しい人間観を示した。
彼によれば、神は人間だけに定まった本性を与えず、人間は自由意志によって、獣のように堕落することも、神に近い存在へ高まることもできる。このように自らのあり方を自分で決定できる点にこそ、人間の尊厳があるとされた。
この主張は、人間を神の秩序の中に固定された存在とみる中世的な人間観から、自律的な個人を重んじる近代的な人間観への転換を象徴するものであり、ルネサンスの**人文主義(ヒューマニズム)**の人間賛美を代表する思想とされる。
この自由意志の尊重は、のちにエラスムスがルターと自由意志をめぐって論争する際にも受け継がれる、ルネサンスの基本的な人間観であった。

ひっかけポイント
救いが神にあらかじめ定められているとするのはカルヴァンの予定説であり、自由意志を尊厳の根拠とするピコとは正反対の立場である。

選択肢の確認

①「人間は自由意志によって自らのあり方を選び取ることができ、そこに人間の尊厳があるとした」
正しい。
正解。ピコ・デラ・ミランドラは『人間の尊厳について』で、人間は自由意志により自らのあり方を選び取れる存在であり、そこに尊厳があると説いた。

②「人間が救われるか否かは神によって予定されており、自らの意志では変えられないとした」
誤り。
誤答理由: 救いが神によってあらかじめ定められているとするのはカルヴァンの予定説であり、自由意志を尊厳の根拠とするピコの人間観とは正反対である。

③「人間の尊厳は、理性を捨てて自然のままに生きることによって実現されるとした」
誤り。
誤答理由: 理性を捨てて自然のままに生きることを理想としたわけではない。文明批判から自然状態を理想化したのは後世のルソーである。

④「人間は考える葦であり、思考することにその偉大さがあるとした」
誤り。
誤答理由: 人間を考える葦と呼んだのは17世紀のモラリスト、パスカルであり、ルネサンス期のピコの言葉ではない。

覚えるポイント

  • ピコ・デラ・ミランドラ=『人間の尊厳について』
  • 自由意志による自己形成こそ人間の尊厳の根拠
  • ルネサンスの人文主義を代表する人間賛美の思想

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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