RN6-002|公共・倫理 対策問題
ルネサンス期の人文主義(ヒューマニズム)の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
ギリシア・ローマの古典の研究を通じて、教会の権威にとらわれない人間らしい生き方を追求した
この問題のポイント
ルネサンスを支えた人文主義の定義を問う問題。「古典研究を通じた人間性の回復」という核心をおさえていれば解ける。
解説
ルネサンスは「再生」を意味し、14世紀のイタリアに始まった文化運動である。その中心にあったのが人文主義(ヒューマニズム)の精神である。
人文主義者たちは、ギリシア・ローマの古典を原典に立ち返って研究し、神中心の中世的な世界観のもとで抑えられていた、ありのままの人間性の解放を目指した。ペトラルカやボッカチオらの文芸、レオナルド・ダ・ヴィンチのような万能人の活躍はその表れである。
彼らは教会の権威や形式化したスコラ哲学をそのまま受け入れるのではなく、人間の自由や現世の生の価値を肯定した。この精神は、宗教改革や近代科学の成立にも影響を与えていく。
なおここでいうヒューマニズムは、博愛を意味する人道主義のことではなく、古典に基づく人間性の研究と回復を目指す精神を指す点に注意したい。
ひっかけポイント
人文主義は古典の「復興」であって古典の排斥ではない。また教会教義の体系化はスコラ哲学の営みであり、ルネサンスはむしろそこからの人間性の解放を目指した。
選択肢の確認
①「中世のスコラ哲学を完成させ、教会の教義を理性によって体系化しようとした」
❌ 誤り。
誤答理由: スコラ哲学の完成と教義の体系化は中世の神学の営みであり、ルネサンスの人文主義はむしろそこからの人間性の解放を目指した。
②「自然科学の実験だけを重んじ、古典の学問をすべて無価値なものとして排斥した」
❌ 誤り。
誤答理由: 人文主義は古典を排斥したのではなく、逆に古典の復興を運動の中心に据えた。実験的自然科学のみを重視したわけでもない。
③「世俗の生活を離れ、禁欲的な修道院生活を送ることを人間の理想とした」
❌ 誤り。
誤答理由: 禁欲的な修道院生活の理想は中世的な価値観であり、現世の生と人間性を肯定した人文主義とは対照的である。
④「ギリシア・ローマの古典の研究を通じて、教会の権威にとらわれない人間らしい生き方を追求した」
✅ 正しい。
正解。人文主義はギリシア・ローマの古典研究を通じて、神中心の中世的世界観から人間性を解放し、人間らしい生き方を追求する精神運動であった。
覚えるポイント
- 人文主義=ギリシア・ローマ古典の研究による人間性の回復
- 神中心の中世的世界観から人間中心の世界観へ
- 万能人(レオナルド・ダ・ヴィンチら)が理想像
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。