RN9-058公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(1) 生命倫理

回復の見込みのない終末期の患者が、過剰な延命治療を望まない意思をあらかじめ文書で示し、自然な死を迎えることを望んでいる。この事例に関わる考え方の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

生命の質(QOL)を重んじる立場から、リヴィング・ウィルなどによる本人の自己決定を尊重して延命治療を差し控える尊厳死の考え方である

この問題のポイント

尊厳死をQOL・リヴィング・ウィル・自己決定と結びつけて判定できるかを問う。SOLの立場や積極的安楽死との区別が軸。

解説

終末期医療をめぐっては、二つの生命観が対立する。SOL(生命の神聖さ)は、生命はそれ自体で尊く、できる限り延命すべきだとする立場である。一方QOL(生命の質)は、単なる延命ではなく、その人らしい生の内容や充実を重んじる立場である。
事例のように、回復の見込みがない段階で過剰な
延命治療を差し控え・中止
し、人間らしい自然な死を迎えることを尊厳死という。その前提となるのが本人の自己決定であり、判断能力があるうちに終末期医療についての希望を文書で示すリヴィング・ウィル(事前指示書)が重要な役割を果たす。
これに対し、耐えがたい苦痛を除くため薬物投与などで死期を意図的に早めるのは
積極的安楽死
であり、日本では法制化されておらず、要件を欠けば犯罪となりうる。尊厳死と安楽死の区別は頻出である。

ひっかけポイント
尊厳死(延命治療の差し控え・中止)と積極的安楽死(死期を早める行為)の混同が定番。本人意思とQOLがキーワード。

選択肢の確認

①「医療費を削減するために、社会の側が患者の治療の中止を決定できるとする考え方である」
誤り。
誤答理由: 尊厳死の根拠は本人の自己決定であり、医療費削減のために社会が治療中止を決めるという考え方は事例とも生命倫理の原則とも異なる。

②「生命の質(QOL)を重んじる立場から、リヴィング・ウィルなどによる本人の自己決定を尊重して延命治療を差し控える尊厳死の考え方である」
正しい。
正解。リヴィング・ウィルに基づき延命治療を差し控えて自然な死を迎えるのは、QOLと自己決定を重んじる尊厳死の考え方である。

③「生命の神聖さ(SOL)を重んじる立場から、本人の意思にかかわらずあらゆる延命治療を続けるべきだとする考え方である」
誤り。
誤答理由: SOLの立場は生命の維持自体を最優先するが、事例は本人の意思による延命治療の差し控えであり、この立場の説明ではない。

④「医師が薬物を投与して患者の死期を意図的に早める積極的安楽死の考え方である」
誤り。
誤答理由: 積極的安楽死は薬物投与などで死期を意図的に早める行為であり、延命治療を差し控える事例の内容とは区別される。

覚えるポイント

  • 尊厳死は延命治療を控え自然な死を迎えること
  • リヴィング・ウィルは終末期医療の事前の意思表示
  • QOL重視の自己決定が尊厳死の考え方の基盤

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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