RN9-062公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(1) 生命倫理

生物の遺伝子を狙った箇所で書き換えるゲノム編集技術の人間への応用をめぐる説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

受精卵に応用すると改変の影響が次の世代にも受け継がれるため、子どもの特徴を望みどおりに設計するデザイナー・ベビーにつながるという強い懸念があり、生殖目的の利用は認められていない

この問題のポイント

ゲノム編集の受精卵への応用が特に問題となる理由を問う。影響の世代間継承とデザイナー・ベビーの懸念が論点の核心。

解説

ゲノム編集は、DNAの狙った箇所を切断して遺伝子を書き換える技術であり、従来の技術より格段に正確で容易になった。すでに農水産物の品種改良などに使われ、患者本人の体細胞を対象とする治療研究も進んでいる。
特に議論が集中するのは受精卵(生殖細胞)への応用である。受精卵の遺伝子を改変すると、その影響は生まれる子のすべての細胞に及び、さらに次の世代へも受け継がれる。安全性が未確立なうえ、本人の同意を得ることが不可能であり、また容姿や能力を望みどおりに設計するデザイナー・ベビーへの道を開けば、命が親の願望の手段とされ、新たな優生思想や格差を生みかねない。
このため、ゲノム編集した受精卵を用いた出産は各国で禁じられており、日本でも指針等により生殖目的の利用は認められていない。技術の可能性と生命の尊厳をどう調和させるかが問われている。

ひっかけポイント
体細胞への治療応用(本人限り)と受精卵への応用(次世代に影響)の区別が定番の論点。世代を超える影響が規制の理由である。

選択肢の確認

①「ゲノム編集は農作物にのみ使える技術であり、人間の細胞には原理的に応用できない」
誤り。
誤答理由: ゲノム編集は人間の細胞にも応用可能であり、体細胞を対象とする治療研究は実際に進められている。

②「病気の治療を目的とする研究は、いかなる形であっても国際的に全面禁止されている」
誤り。
誤答理由: 病気の治療を目的とする体細胞への研究は規制の枠内で行われており、全面禁止という説明は誤りである。規制の焦点は受精卵・生殖細胞への応用である。

③「受精卵に応用すると改変の影響が次の世代にも受け継がれるため、子どもの特徴を望みどおりに設計するデザイナー・ベビーにつながるという強い懸念があり、生殖目的の利用は認められていない」
正しい。
正解。受精卵への改変は次世代にまで受け継がれ、同意も得られないうえ、デザイナー・ベビーという命の設計につながる懸念があるため、生殖目的の利用は認められていない。

④「受精卵への応用は影響が本人一代限りにとどまるため、各国で自由に実施されている」
誤り。
誤答理由: 受精卵の改変は本人一代限りではなく、生まれる子のすべての細胞と子孫に受け継がれる。影響の範囲の説明が正反対である。

覚えるポイント

  • 受精卵への改変は次世代に受け継がれる
  • デザイナー・ベビーは優生思想につながる懸念
  • 生殖目的のゲノム編集は認められていない

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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