RN9-063|公共・倫理 対策問題
iPS細胞(人工多能性幹細胞)についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
皮膚などの体細胞に遺伝子を導入して作られる、様々な組織や臓器の細胞に分化しうる細胞であり、受精卵を壊して作るES細胞が抱える倫理的問題を回避できると注目されている
この問題のポイント
iPS細胞とES細胞の作り方の違いと、それに伴う倫理的評価の違いを区別できるかを問う。受精卵を壊すか否かが軸。
解説
再生医療の鍵となるのが、体の様々な細胞に分化する能力を持つ幹細胞である。
ES細胞(胚性幹細胞)は、不妊治療などで残った受精卵(胚)を壊してその内部の細胞から作られる。高い分化能力を持つ一方、生命の萌芽である胚を破壊することが倫理的に許されるのかという根本的な問題を抱えてきた。
これに対しiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、山中伸弥らが開発した技術により、皮膚や血液などの体細胞に少数の遺伝子を導入して作られる。受精卵を壊さないためES細胞の倫理的問題を回避でき、しかも患者自身の細胞から作れば移植の際の拒絶反応も起こりにくい。山中はこの業績で2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
網膜や心筋などへの臨床応用研究が進む一方、生殖細胞の作製などについては倫理的な議論が続いている。
ひっかけポイント
ES細胞(受精卵を壊す)とiPS細胞(体細胞から作る)の作製法の入れ替えが定番。倫理的問題の回避と拒絶反応の少なさはiPS細胞の利点。
選択肢の確認
①「日本では研究も臨床応用も法律で全面的に禁止されている」
❌ 誤り。
誤答理由: 日本ではiPS細胞の研究が国を挙げて推進され、網膜などへの臨床応用研究も行われている。全面禁止という説明は事実に反する。
②「皮膚などの体細胞に遺伝子を導入して作られる、様々な組織や臓器の細胞に分化しうる細胞であり、受精卵を壊して作るES細胞が抱える倫理的問題を回避できると注目されている」
✅ 正しい。
正解。iPS細胞は山中伸弥らが開発した、体細胞への遺伝子導入で作る多能性幹細胞であり、受精卵を壊すES細胞の倫理的問題を回避でき、拒絶反応も起こりにくい。
③「受精卵を壊して内部の細胞を取り出して作られるため、生命の萌芽の破壊という倫理的問題が指摘されている」
❌ 誤り。
誤答理由: 受精卵を壊して作られるのはES細胞であり、iPS細胞は皮膚などの体細胞から作られる。両者の作製法を混同している。
④「成人の臓器をそのまま移植に用いる技術であり、細胞の分化の能力とは関係がない」
❌ 誤り。
誤答理由: iPS細胞は臓器そのものの移植ではなく、様々な細胞に分化する能力を持つ細胞を作る技術である。
覚えるポイント
- iPS細胞は体細胞から作り受精卵を壊さない
- ES細胞は胚の破壊という倫理的問題を抱える
- 山中伸弥が開発しノーベル賞を受賞
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。