RN-D2-01公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(2) 環境倫理

環境倫理の考え方についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

世代間倫理とは、現在の世代は、まだ生まれていない将来の世代の生存条件に対しても責任を負うという考え方である

この問題のポイント

環境倫理の三つの基本的な考え方を問う問題。「世代間倫理」「地球全体主義」「自然の生存権」の定義と、環境思想の先駆者の対応がわかれば解ける。

解説

地球環境問題の深刻化とともに、従来の倫理の枠組みを問い直す環境倫理が生まれた。その基本的な主張は三つに整理される。

  • 世代間倫理:環境破壊の影響を受けるのは、まだ生まれていない将来世代である。現在世代は、同時代の人々だけでなく、将来世代の生存条件に責任を負う。哲学者ヨナスは、科学技術文明がもつ巨大な力に応じた「未来への責任」を説いた
  • 地球全体主義(地球全体主義):地球の資源や環境容量は有限であり、経済活動もその制約の中でしか成り立たない。ボールディングが地球を閉じた系にたとえた「宇宙船地球号」の考え方が代表的である
  • 自然の生存権:人間の利益に役立つかどうかにかかわらず、動植物や生態系など自然そのものに生存の権利を認めようとする考え方。人間中心主義から脱し、自然への畏敬を求める
    なお、環境思想の出発点として、農薬による生態系破壊を告発したレイチェル・カーソンの『沈黙の春』(1962年)が重要である。

ひっかけポイント
『沈黙の春』=カーソン、宇宙船地球号=ボールディングの入れ替えが定番。自然の生存権は「人間の役に立つ限りで保護」という人間中心主義の克服を目指す考え方であり、定義の逆転に注意。

選択肢の確認

①「地球全体主義とは、地球の資源や環境の容量は無限であるとする考え方である」
誤り。
誤答理由: 地球全体主義は地球の資源や環境容量が有限であることを前提とする考え方であり、無限とする説明は正反対である。

②「『沈黙の春』を著して農薬による生態系の破壊を警告したのは、ボールディングである」
誤り。
誤答理由: 『沈黙の春』の著者はレイチェル・カーソンである。ボールディングは宇宙船地球号の考え方で知られる。

③「自然の生存権とは、人間の利益に役立つ範囲でのみ自然の保護を認める考え方である」
誤り。
誤答理由: 自然の生存権は、人間の利益と無関係に自然そのものに生存の権利を認めようとする考え方であり、人間中心主義の克服を目指すものである。

④「世代間倫理とは、現在の世代は、まだ生まれていない将来の世代の生存条件に対しても責任を負うという考え方である」
正しい。
正解。世代間倫理は、現在世代がまだ生まれていない将来世代の生存条件に責任を負うとする環境倫理の基本的な考え方で、ヨナスが未来への責任を説いた。

覚えるポイント

  • 世代間倫理=将来世代への責任(ヨナス)
  • 地球全体主義=宇宙船地球号(ボールディング)
  • 自然の生存権=自然そのものの権利、カーソン『沈黙の春』

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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