RN9-067|公共・倫理 対策問題
環境倫理における自然の生存権(自然の権利)の考え方についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
人間だけでなく、動植物や生態系そのものにも生存し存続する固有の価値や権利を認めるべきだとして、人間中心主義的な自然観の見直しを迫る考え方
この問題のポイント
自然の生存権の考え方が人間中心主義への批判として登場したことを理解しているかを問う。自然の固有価値の承認が核心。
解説
近代の自然観は、自然を人間が利用するための資源・手段とみなす人間中心主義を前提としてきた。しかし環境破壊の深刻化とともに、この前提そのものが問い直されるようになった。
自然の生存権(自然の権利)の考え方は、人間だけでなく動植物・生態系・景観などにも、人間の利益とは独立した固有の価値や生存・存続の権利を認めるべきだと主張する。アメリカでは、樹木や動物を原告とする自然の権利訴訟が提起され、日本でも奄美のクロウサギを原告に見立てた訴訟が知られる。
思想的には、生態系全体の安定に価値を置く土地倫理(レオポルド)や、シンガーの動物解放論などがこの流れにある。ただし、権利の主体をどこまで広げるのか、自然の権利は誰が代弁するのかなど、理論的な課題も議論されている。人間中心主義か自然中心主義かという対立軸は、環境倫理の基本論点である。
ひっかけポイント
人間に役立つ限りで保護するという人間中心主義の記述と混同させるのが定番。自然それ自体の固有価値を認めるかどうかが分かれ目。
選択肢の確認
①「自然災害を起こす自然には責任があるので、人間が自然を裁く権利を持つという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然の生存権は自然に生存の価値・権利を認める考え方であり、人間が自然を裁くという発想とは無関係である。
②「人間だけでなく、動植物や生態系そのものにも生存し存続する固有の価値や権利を認めるべきだとして、人間中心主義的な自然観の見直しを迫る考え方」
✅ 正しい。
正解。自然の生存権は、動植物や生態系にも固有の価値・権利を認め、自然を人間の資源とのみみなす人間中心主義的な自然観の見直しを迫る考え方である。
③「自然は人間の利益のために存在する資源であるから、人間に役立つ限りで保護すればよいという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 人間に役立つ限りで自然を保護するという発想は人間中心主義そのものであり、自然の固有の価値を認める考え方とは異なる。
④「権利を持つのは理性的な人間のみであり、自然の保護は人間の義務にも権利にも関わらないという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 権利の主体を理性的な人間に限る見方こそ、自然の生存権の考え方が問い直そうとしている前提である。
覚えるポイント
- 自然の生存権は自然の固有価値を認める考え方
- 人間中心主義的自然観への批判として登場
- 自然の権利訴訟や土地倫理が関連する動き
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。