RN9-066公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(2) 環境倫理

環境倫理における世代間倫理についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

まだ生まれていない未来の世代は現在の決定に同意も抗議もできないため、現在世代は未来世代の生存条件に対して一方的な責任を負うという考え方

この問題のポイント

世代間倫理の核心である現在世代と未来世代の非対称な関係を理解しているかを問う。同意できない相手への一方的責任が鍵。

解説

環境問題の多くは、影響が長い時間を経て現れる。放射性廃棄物や気候変動の影響を最も強く受けるのは、まだ生まれていない未来世代である。
ここに特有の倫理問題がある。未来世代は現在の決定の場に存在しないため、同意することも抗議することもできない。利害の調整を当事者間の合意に委ねる従来の倫理では対応できず、現在世代が未来世代の生存条件を損なわないよう、一方的な責任を負わなければならない。これが世代間倫理であり、哲学者ヨナスは、科学技術が及ぼす影響の大きさに応じて、未来への責任を倫理の中心に据えるべきだと説いた(責任という原理)。
持続可能な開発」(将来世代のニーズを損なわずに現在世代のニーズを満たす開発)という理念も、この世代間の公正の考え方を国際社会の目標として表現したものである。

ひっかけポイント
世代間の関係を対等な交渉関係として描く選択肢が定番の誤り。未来世代は交渉に参加できないという非対称性が出発点である。

選択肢の確認

①「未来のことは誰にも分からないのだから、現在世代は目先の利益だけを考えて行動してよいという考え方」
誤り。
誤答理由: 影響の予見が難しいからこそ慎重な責任が求められるのであり、目先の利益だけ考えてよいという説明は世代間倫理と正反対である。

②「過去の世代の責任を追及することこそが、環境問題の解決の中心であるという考え方」
誤り。
誤答理由: 世代間倫理の中心は未来世代への責任であり、過去の世代の責任追及を中心とする説明は的外れである。

③「まだ生まれていない未来の世代は現在の決定に同意も抗議もできないため、現在世代は未来世代の生存条件に対して一方的な責任を負うという考え方」
正しい。
正解。未来世代は現在の決定に同意も抗議もできない非対称な関係にあるため、現在世代が未来世代の生存条件に一方的な責任を負うというのが世代間倫理である。

④「現在の世代と未来の世代は対等に交渉できるため、資源の配分は両者の合意によって決めればよいという考え方」
誤り。
誤答理由: 未来世代はまだ存在せず交渉に参加できないため、対等な合意による配分という説明は世代間関係の非対称性を見落としている。

覚えるポイント

  • 未来世代は現在の決定に同意も抗議もできない
  • 現在世代が一方的に責任を負うのが世代間倫理
  • ヨナスが未来への責任の倫理を提唱

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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