RN9-072|公共・倫理 対策問題
ある生徒が「使用済み核燃料の処分方法を決めるときは、何万年も先に生きる人々への影響を考えなければならない。その人たちは今の議論に参加できないのだから」と発言した。この発言の根拠となっている環境倫理の考え方として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
現在世代は、決定に参加できない未来世代の生存条件に責任を負うという世代間倫理の考え方
この問題のポイント
具体的な発言を環境倫理の三つの基本的主張のどれに対応するか判定させる問題。時間軸(未来世代)への言及が判定の鍵。
解説
環境倫理には代表的な三つの主張がある。第一に、人間以外の自然にも固有の価値・権利を認める自然の生存権。第二に、地球の資源と環境容量の有限性を前提とする地球全体主義。第三に、未来世代への責任を説く世代間倫理である。
発言のポイントは二つある。何万年も先の未来の人々への影響を判断の基準に置いていること、そしてその人々が今の議論・決定に参加できないことを責任の理由として挙げていることである。これは、同意も抗議もできない未来世代に対して現在世代が一方的に責任を負うという世代間倫理そのものである。
放射性廃棄物の処分は、影響が数万年に及ぶため世代間倫理の典型的な適用場面とされる。事例文がどの空間・時間・主体に注目しているかを見極めれば、三つの主張のどれに当たるかを判別できる。
ひっかけポイント
三つの主張は同時に成り立ちうるため紛らわしいが、発言の根拠として明示されている要素(未来世代の不参加)で判定するのが鉄則。
選択肢の確認
①「環境保全よりも現在の経済的な効率を優先すべきだという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 発言は現在の効率よりも遠い将来への影響を重視しており、経済的効率の優先という考え方は発言の趣旨と正反対である。
②「現在世代は、決定に参加できない未来世代の生存条件に責任を負うという世代間倫理の考え方」
✅ 正しい。
正解。何万年も先の人々への影響を考え、その人々が議論に参加できないことを責任の理由とする発言は、未来世代への一方的責任を説く世代間倫理に基づいている。
③「動植物や生態系そのものに固有の権利を認めるべきだという自然の生存権の考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然の生存権は動植物や生態系の固有の権利に関する主張であり、発言の根拠である未来の人々への責任とは着眼点が異なる。
④「地球の資源や環境の浄化能力には限りがあるという地球全体主義の考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 地球全体主義は資源や環境容量の有限性に関する主張であり、発言が挙げている未来世代の不参加という理由とは対応しない。
覚えるポイント
- 環境倫理の三本柱は自然の生存権・地球全体主義・世代間倫理
- 未来世代への言及があれば世代間倫理
- 放射性廃棄物処分は世代間倫理の典型例
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。