RN7-069|公共・倫理 対策問題
日本民俗学を確立した柳田国男についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
文字に残らない伝承や習俗を手がかりに、常民と呼ばれる無名の人々の生活文化の歴史を明らかにしようとした
この問題のポイント
柳田民俗学の対象(常民)と方法(伝承・習俗の研究)を、柳宗悦・南方熊楠と区別して問う問題。
解説
柳田国男(1875〜1962年)は農商務省の官僚として全国の農村を見て歩いた経験から、日本民俗学の建設に向かった。
従来の歴史学は、文書記録に基づいて政治家や英雄の事績を描くものだった。しかしそこには、記録を残さなかった大多数の人々の生活が抜け落ちている。柳田は、ごく普通の暮らしを営んできた無名の人々を常民と呼び、彼らが伝えてきた昔話・伝説・方言・年中行事・信仰などの民間伝承を資料として、常民の生活文化の歴史を明らかにする学問を打ち立てた。
岩手県遠野地方の伝承を記録した**『遠野物語』**(1910年)はその出発点となった作品である。柳田の学問は、日本人とは何かという問いを、支配者の歴史ではなく民衆の日常の中に探る試みであった。
ひっかけポイント
民藝運動は柳宗悦、粘菌研究・神社合祀反対は南方熊楠であり、名前の似た柳宗悦との混同が特に多い。柳田=常民・『遠野物語』で固定する。
選択肢の確認
①「粘菌の研究と神社合祀反対運動で知られる博物学者である」
❌ 誤り。
誤答理由: 粘菌研究と神社合祀反対運動は南方熊楠の事績であり、柳田の説明ではない。
②「文字に残らない伝承や習俗を手がかりに、常民と呼ばれる無名の人々の生活文化の歴史を明らかにしようとした」
✅ 正しい。
正解。柳田は文字に残らない伝承や習俗を資料に、常民と呼ぶ無名の人々の生活文化の歴史を明らかにする民俗学を確立した。
③「宮廷や幕府の公式記録のみを史料として、英雄中心の歴史学を確立した」
❌ 誤り。
誤答理由: 公式記録に基づく英雄中心の歴史学は、記録を残さぬ人々の生活を扱う柳田の民俗学とは対照的な従来型の学問である。
④「無名の職人が作る日用品の美を見いだす民藝運動を起こした」
❌ 誤り。
誤答理由: 日用品の美を見いだす民藝運動は柳宗悦の事績であり、名前は似るが柳田国男とは別人である。
覚えるポイント
- 柳田国男=日本民俗学の確立者
- 常民=無名の人々、民間伝承を資料とする
- 出発点は『遠野物語』
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。