KO5-040公共・倫理 対策問題

公共B 社会に参画する私たち(4) 情報社会と職業・雇用

プライバシーの権利に関する記述として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

自己の情報の取扱いを自らコントロールする権利としてとらえられるようになり、検索結果の削除を求める忘れられる権利も議論されている

この問題のポイント

プライバシー権の発展を問う。私生活の保護から自己情報コントロール権への展開と、新しい人権としての憲法上の位置づけが判断の軸。

解説

プライバシーの権利は、当初、私生活をみだりに公開されない権利として登場した。日本では小説『宴のあと』をめぐる1964年の裁判で初めて認められた。
憲法に明文の規定はなく、幸福追求権(憲法13条)を根拠とする新しい人権の代表例である。
情報化の進展に伴い、この権利は、行政や企業に集められた自分の情報の閲覧・訂正などを求める自己情報コントロール権として、より積極的にとらえ直されるようになった。個人情報保護法の開示・訂正請求の制度は、この考え方を具体化したものといえる。
さらにインターネット上では、過去の情報が半永久的に残り検索で表示され続けるため、検索結果などの削除を求める忘れられる権利が議論されている。EUでは司法裁判所の判決を経て、一般データ保護規則に削除を求める権利が明文化された。日本でも削除を認めた裁判例があるが、表現の自由や知る権利との調整が課題である。

ひっかけポイント
プライバシー権は憲法13条から導かれる新しい人権で、明文規定があるとする選択肢が定番の誤り。忘れられる権利はEUで法制化されており、全否定も正しくない。

選択肢の確認

①「自己の情報の取扱いを自らコントロールする権利としてとらえられるようになり、検索結果の削除を求める忘れられる権利も議論されている」
正しい。
正解。プライバシー権は私生活の保護から自己情報コントロール権へと発展し、ネット上では検索結果などの削除を求める忘れられる権利も議論され、EUでは法制化された。

②「プライバシーの権利は、日本国憲法に明文で規定されている」
誤り。
誤答理由: プライバシー権は憲法に明文の規定がなく、13条の幸福追求権を根拠に判例・学説で認められてきた新しい人権である。明文規定ありとするのが定番の誤り。

③「プライバシーの権利の内容は、私生活を公開されない権利から今日まで全く変化していない」
誤り。
誤答理由: プライバシー権の内容は、私生活をみだりに公開されない権利から、自己の情報を積極的にコントロールする権利へと発展してきた。不変とする説明は歴史に反する。

④「忘れられる権利は、EUを含めどの国・地域でも法的に認められたことがない」
誤り。
誤答理由: EUでは司法裁判所の判決を経て一般データ保護規則に削除を求める権利が明文化された。どこでも認められていないという全否定は誤り。

覚えるポイント

  • 根拠は憲法13条の幸福追求権、新しい人権
  • 私生活の保護から自己情報コントロール権へ発展
  • 忘れられる権利はEUの一般データ保護規則で明文化

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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