RN9-082公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(3) 情報社会の倫理

情報社会におけるプライバシーの権利についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

私生活をみだりに公開されない権利から発展して、自分に関する情報の収集や利用をコントロールする権利として理解されるようになり、検索結果の削除を求める忘れられる権利も議論されている

この問題のポイント

プライバシー権の消極的権利から積極的権利(自己情報コントロール権)への発展と、忘れられる権利という新しい論点を問う。

解説

プライバシーの権利は、当初「私生活をみだりに公開されない権利」という消極的な権利として理解された。日本では小説『宴のあと』をめぐる裁判で認められたのが有名である。憲法に明文はなく、幸福追求権(13条)を根拠とする新しい人権のひとつである。
情報社会では、行政や企業が大量の個人情報を収集・蓄積・分析するようになり、権利の理解も発展した。現在では、**自分に関する情報の収集・利用・提供を本人がコントロールする権利(自己情報コントロール権)**として積極的にとらえられている。個人情報保護法による事業者の義務づけや、本人による開示・訂正の請求は、この考え方に基づく仕組みである。
さらに近年は、過去の犯罪報道などが検索でいつまでも表示されることに対し、**検索結果の削除を求める「忘れられる権利」**がEUを中心に認められ、日本でも表現の自由や知る権利との調整をめぐって議論が続いている。

ひっかけポイント
プライバシー権を公開されない権利に限定する古い理解が定番の誤り。自己情報コントロール権への発展を押さえる。

選択肢の確認

①「私生活をみだりに公開されない権利から発展して、自分に関する情報の収集や利用をコントロールする権利として理解されるようになり、検索結果の削除を求める忘れられる権利も議論されている」
正しい。
正解。プライバシー権は私生活をみだりに公開されない権利から、自己情報コントロール権へと発展し、近年は検索結果の削除を求める忘れられる権利も議論されている。

②「プライバシーの権利は私生活を公開されない権利に限られ、自分の情報の扱いに関与する権利は含まないとされている」
誤り。
誤答理由: 現在のプライバシー権は自分の情報の収集・利用への関与を含む積極的な権利として理解されており、公開されない権利に限定する説明は古い理解である。

③「一度インターネット上に公開された個人情報は公共のものとなるため、削除を求めることは一切できない」
誤り。
誤答理由: 忘れられる権利の議論やプロバイダへの削除請求の仕組みがあり、公開された個人情報の削除を一切求められないという説明は誤りである。

④「プライバシーの権利は日本国憲法に明文で規定されているため、解釈上の議論は存在しない」
誤り。
誤答理由: プライバシー権は憲法に明文の規定がなく、幸福追求権を根拠に解釈上認められてきた新しい人権であり、議論が存在しないという説明は誤りである。

覚えるポイント

  • プライバシー権は幸福追求権を根拠とする新しい人権
  • 現在は自己情報コントロール権として理解される
  • 忘れられる権利は知る権利との調整が論点

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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