RN2-A13公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(2) ギリシアの思想

エピクロス派の思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

エピクロスは、飢えや渇きの苦痛と魂の不安を取り除いた平静な状態であるアタラクシアを真の快楽とし、公共の生活を避けて『隠れて生きよ』と説いた

この問題のポイント

エピクロスの快楽主義の内実を問う問題。「快楽=魂の平静(アタラクシア)」という定義の理解と、死への態度・政治からの距離がわかれば解ける。

解説

アレクサンドロス大王の東方遠征後のヘレニズム時代、ポリスの自立が失われた世界で、人々は個人としての生き方の支えを求めた。
エピクロスは、快楽こそ善であり人生の目的だとする快楽主義を唱えた。ただしその快楽は、美食や名声のような瞬間的・肉体的快楽ではない。そうした快楽はかえって苦痛を生む。真の快楽とは、肉体に苦痛がなく、魂に不安や動揺のない平静な状態、すなわちアタラクシアである。
魂の不安の最大の源は死への恐怖である。エピクロスは原子論の立場から、「われわれが存在するとき死は存在せず、死が存在するときわれわれは存在しない」(要旨)と論じ、経験されない死を恐れる必要はないとして不安を取り除こうとした。
また、政治や公共生活は心の平静を乱すものと考え、「隠れて生きよ」を信条に、友人たちとの質素で親密な共同生活(エピクロスの園)を営んだ。政治参加の奨励は、この立場と正反対である。

ひっかけポイント
快楽主義の名から感覚的快楽の追求を連想させる選択肢が定番だが、エピクロスの快楽はアタラクシア(魂の平静)。死への恐怖は「取り除くべきもの」であり、幸福の条件ではない。

選択肢の確認

①「エピクロスは、飢えや渇きの苦痛と魂の不安を取り除いた平静な状態であるアタラクシアを真の快楽とし、公共の生活を避けて『隠れて生きよ』と説いた」
正しい。
正解。エピクロスは苦痛と魂の不安を取り除いた平静な状態(アタラクシア)を真の快楽とし、「隠れて生きよ」と説いた。

②「エピクロスは、死への恐怖をもち続けることこそ幸福の条件であると説いた」
誤り。
誤答理由: エピクロスは、死は経験されないから恐れる必要はないと論じ、死への恐怖という魂の不安を取り除こうとした。

③「エピクロス派は、ポリスの政治に参加することを市民の最高の義務として奨励した」
誤り。
誤答理由: エピクロス派は政治や公共生活を心の平静を乱すものとみて退いた。政治参加の奨励は「隠れて生きよ」と正反対である。

④「エピクロスのいう快楽主義とは、瞬間的・肉体的な快楽を無制限に追求することである」
誤り。
誤答理由: エピクロスの快楽は瞬間的・肉体的快楽の追求ではなく、魂の平静を指す。無制限の追求はかえって苦痛を生むとされた。

覚えるポイント

  • 真の快楽=アタラクシア(魂の平静)
  • 死は経験されないから恐れる必要はない
  • 隠れて生きよ=公共生活から退き友と生きる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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