RN6-009公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(1) ルネサンスと宗教改革

カルヴァン派の職業倫理が近代社会に与えた影響についての、マックス・ウェーバーの分析として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

禁欲的に職業労働に励んだ結果として得られる利潤の蓄積を肯定する倫理が、資本主義の精神の形成を促したと分析した

この問題のポイント

宗教改革の思想と近代資本主義を結びつけたウェーバーの有名な分析を問う問題。「禁欲的な職業労働→利潤の肯定→資本主義の精神」という因果の流れをおさえる。

解説

カルヴァン派の信徒たちは、予定説のもとで自らの救いを確信するために、神から与えられた職業に禁欲的に励んだ。浪費や享楽は退けられたため、勤勉な労働の成果である利潤は蓄積され、再び事業に投下された。利潤の獲得は神の栄光にかなうものとして肯定されたのである。
ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』でこの過程を分析し、営利をむしろ警戒した宗教倫理が、意図せずして合理的・組織的に利潤を追求する資本主義の精神を生み出したと論じた。
宗教改革の思想が経済という世俗の領域を変えていったことを示す古典的な分析であり、思想と社会の関係を考えるうえで頻出のテーマである。
宗教という精神的要因が経済という物質的領域を動かしたとするこの分析は、経済が思想を規定するとみる唯物史観としばしば対比される。

ひっかけポイント
「禁欲」が資本主義を妨げたのではなく、禁欲的労働の結果としての蓄財の肯定が資本主義を促した、という逆説的な論理の向きを取り違えないこと。

選択肢の確認

①「禁欲的に職業労働に励んだ結果として得られる利潤の蓄積を肯定する倫理が、資本主義の精神の形成を促したと分析した」
正しい。
正解。ウェーバーは、禁欲的な職業労働の結果としての利潤の蓄積を神の栄光として肯定するカルヴァン派の倫理が、資本主義の精神を育てたと分析した。

②「蓄財を罪悪視するカルヴァン派の教えが、ヨーロッパの資本主義の発達を長く妨げたと分析した」
誤り。
誤答理由: ウェーバーの分析は、禁欲がむしろ蓄財と再投資を促して資本主義を発達させたというものであり、妨げたという理解は逆である。

③「カトリックの修道院制度こそが、近代資本主義を直接生み出したと分析した」
誤り。
誤答理由: ウェーバーが資本主義の精神と結びつけたのはプロテスタント、特にカルヴァン派の倫理であり、カトリックの修道院制度ではない。

④「予定説は人々から労働の意欲を奪い、経済活動を停滞させたと分析した」
誤り。
誤答理由: 予定説は救いの確信を得ようとする信徒をかえって勤勉な労働に駆り立てたのであり、怠惰にしたという記述は逆である。

覚えるポイント

  • ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
  • 禁欲的な職業労働と利潤の蓄積の肯定が資本主義の精神を育てた
  • カルヴァン派の職業倫理と近代経済の結びつきを分析

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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