RN4-045|公共・倫理 対策問題
荀子の性悪説についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
人間の本性は欲望に流れる悪であり、後天的な努力と礼による矯正によってはじめて善となるとした
この問題のポイント
性悪説の正確な理解を問う問題。「悪だから見捨てる」のではなく「悪だからこそ礼で矯正できる」という教育重視の論理がカギ。
解説
戦国時代末期の儒家荀子は、孟子の性善説に反対し、「人の性は悪にして、その善なる者は偽なり」と唱えた(性悪説)。
ここでいう悪とは、人間が生まれつき利益や快楽を求める欲望を持ち、放置すれば争いに至るという意味である。そして重要なのは「偽」の意味である。偽とは偽物ではなく人為、すなわち後天的な努力・作為を指す。人間の善は、聖人の定めた礼を学び、本性を矯正する人為の積み重ねによって実現される、というのが荀子の主張である。
したがって性悪説は人間への絶望ではなく、むしろ教育と学問の力への強い信頼に立っている。曲がった木を矯め木で真っすぐにするように、礼が人間を形づくるのである。
政治においても、徳による感化よりも礼による規律を重んじた(礼治主義)。その門下から、礼をさらに法へと徹底させた韓非子や李斯ら法家が出たことも押さえておきたい。
ひっかけポイント
四端は孟子の性善説。また性悪説=教育無用論という誤解を突く選択肢が定番で、実際はまったく逆に教育・礼を重視した。
選択肢の確認
①「人間の本性は悪であるから、教育や矯正はまったく無意味であるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 性悪説は教育無用論ではなく、むしろ礼による矯正と学問の力への強い信頼に立つ。悪だからこそ人為による善化が必要とされる。
②「人間の本性はあるがままで完全であるから、人為を加えてはならないとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 本性をあるがまま完全とみて人為を退けるのは老荘思想であり、人為(偽)こそ善の源泉とする荀子と正反対である。
③「人間の本性は欲望に流れる悪であり、後天的な努力と礼による矯正によってはじめて善となるとした」
✅ 正しい。
正解。荀子は人の性は悪でその善なる者は偽(人為)であるとし、礼を学ぶ後天的な努力によって本性を矯正することを説いた。
④「人間には生まれつき四端が備わっており、それを養えば必ず善人になるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 生まれつき四端が備わるというのは孟子の性善説であり、荀子はこれに反対して性悪説を唱えた。
覚えるポイント
- 人の性は悪、その善なる者は偽(人為)
- 礼による後天的な矯正を重視(礼治主義)
- 門下から韓非子・李斯ら法家が出た
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。