RN7-066公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(4) 近現代日本の思想

西田幾多郎の後期思想の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

あらゆる存在を成り立たせている場所としての絶対無を考え、東洋の思想的伝統を踏まえた独自の哲学を展開した

この問題のポイント

純粋経験から場所・絶対無へと深化した西田哲学の展開と、その東洋的独自性を問う問題。

解説

西田幾多郎は『善の研究』の後も思索を深め続けた。
後期の西田は、有るものはすべて何かに「おいて」あるという考察から、あらゆる存在をそこに成り立たせながら、それ自身は対象として限定されない場所の論理を展開した。その究極が絶対無である。絶対無は単なる空虚ではなく、有と無の対立をも超えて、すべてを包み成り立たせるはたらきであり、ここにはや東洋思想の伝統が生かされている。
晩年には、絶対に対立するものが対立したまま一つであるという絶対矛盾的自己同一の論理で、歴史的世界の構造を捉えようとした。
西田の哲学は、西洋哲学の概念を用いながら東洋の思想的伝統を哲学として表現したものと評価され、その学統は京都学派と呼ばれる哲学者たちに受け継がれた。

ひっかけポイント
西田は西洋哲学の単なる紹介者ではなく、独自の体系を築いた点が核心。唯物論や民俗学への転向とする記述は事実に反する。

選択肢の確認

①「あらゆる存在を成り立たせている場所としての絶対無を考え、東洋の思想的伝統を踏まえた独自の哲学を展開した」
正しい。
正解。後期西田はあらゆる存在を成り立たせる場所としての絶対無を考え、東洋の伝統を踏まえた独自の哲学を展開した。

②「西洋哲学の翻訳と紹介に専念し、独自の学説は立てなかった」
誤り。
誤答理由: 西田は西洋哲学の紹介にとどまらず、日本で最初の独創的な哲学体系を築いた。学統は京都学派として継承された。

③「唯物論の立場から、精神現象をすべて物質の運動に還元した」
誤り。
誤答理由: 西田の哲学は精神を物質に還元する唯物論ではなく、主客の対立を超える実在を問う独自の立場である。

④「哲学を放棄して、実証的な民俗資料の収集に転じた」
誤り。
誤答理由: 民俗資料の収集による学問は柳田国男の民俗学であり、西田は生涯哲学の思索を続けた。

覚えるポイント

  • 後期西田=場所の論理・絶対無
  • 絶対矛盾的自己同一で歴史的世界を考察
  • 学統は京都学派として継承

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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