RN7-067公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(4) 近現代日本の思想

和辻哲郎の倫理学の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

人間を個人であると同時に社会的存在でもある間柄的存在と捉え、倫理を人と人との間柄の学として構想した

この問題のポイント

和辻の間柄的存在の概念と、個人主義的人間観への批判という文脈を問う問題。

解説

和辻哲郎(1889〜1960年)は、『人間の学としての倫理学』『倫理学』で独自の倫理学体系を築いた。
和辻は、「人間」という日本語が「人の間」と書くことに注目する。人間とは、単なる個人でもなければ単なる社会でもなく、個人であると同時に、夫婦・親子・友人・社会の成員といった間柄において存在する社会的存在でもある。この二重性格を持つ存在を間柄的存在と呼んだ。
人は間柄の中の自分を否定して個人として自立し、またその個人を否定して間柄へ帰っていく。この個と全体の否定の運動のうちに倫理が成り立つのであり、倫理とは孤立した個人の意識の問題ではなく、人と人との間柄の理法である。
近代西洋の個人主義的人間観は、人間存在の一面である個人だけを取り出した抽象にすぎない、という批判が和辻倫理学の出発点にある。

ひっかけポイント
純粋経験は西田幾多郎、常民の民俗学は柳田国男であり、近代日本の思想家間の概念の入れ替えが定番。和辻=間柄的存在・人間の学で固定する。

選択肢の確認

①「人間は徹底的に孤立した個人であり、社会は幻想にすぎないと論じた」
誤り。
誤答理由: 人間を孤立した個人とみる個人主義的人間観こそ、和辻が一面的な抽象として批判した立場である。

②「主客未分の純粋経験こそが唯一の実在であると説いた」
誤り。
誤答理由: 主客未分の純粋経験は西田幾多郎の哲学の概念であり、和辻の倫理学の説明ではない。

③「常民の生活文化の伝承を収集する民俗学を創始した」
誤り。
誤答理由: 常民の生活文化を対象とする民俗学は柳田国男の学問であり、和辻の倫理学とは別である。

④「人間を個人であると同時に社会的存在でもある間柄的存在と捉え、倫理を人と人との間柄の学として構想した」
正しい。
正解。和辻は人間を個人と社会的存在の二重性格を持つ間柄的存在と捉え、倫理を人と人との間柄の学として構想した。

覚えるポイント

  • 和辻哲郎=間柄的存在・『人間の学としての倫理学』
  • 人間は個人と社会の二重性格を持つ
  • 西洋近代の個人主義的人間観を批判

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN7-066RN7-068