KZ-R6TB-03公共・倫理 対策問題

共通テスト図版チャレンジ

図の結果を倫理学説と関連付けた解釈として最も適切なものはどれか。

KZ-R6TB-03の問題図版
解答・解説を見る

正解: 1

正解

意図の有無によって評価を大きく変える一般市民の判断は動機を重視するカントの義務論に近く、危害という結果の有無を重視するテロリストの判断は結果に注目する功利主義的な発想に近いと解釈できる

この問題のポイント

実験結果を動機主義と帰結主義という枠組みで解釈する問題。図の対応関係と各学説の定義の両方が正確である必要がある。

解説

図の一般市民は、危害という結果が同じでも、意図の有無によって評価を大きく変える。「意図あり・危害なし」を2点前後と厳しく裁くのは、悪い動機そのものを道徳的に許されないとみる判断であり、行為の価値を動機に求めるカントの義務論に近い発想といえる。
これに対しテロリストは、「意図あり・危害なし」に比較的寛容で、「意図なし・危害あり」を厳しく評価した。結果として危害が生じたかどうかを重くみるこの判断は、行為の結果に注目する功利主義的(帰結主義的)な発想に近いと解釈できる。
ただし功利主義そのものは「最大多数の最大幸福」という
社会全体の幸福
を基準とする思想であり、危害の有無だけで裁く単純な結果主義と同一ではないことにも注意したい。
道徳判断の基準が人や集団によって異なりうることを、実験は具体的な数値で示している。

ひっかけポイント
図の対応(一般市民=意図重視=義務論的、テロリスト=結果重視)を逆にした選択肢が定番。カントと功利主義それぞれの判断基準の定義のすり替えにも注意。

選択肢の確認

①「意図の有無によって評価を大きく変える一般市民の判断は動機を重視するカントの義務論に近く、危害という結果の有無を重視するテロリストの判断は結果に注目する功利主義的な発想に近いと解釈できる」
正しい。
正解。意図の有無で評価を変える一般市民は動機重視のカントの義務論に、危害の有無を重くみるテロリストは結果重視の功利主義的発想に近いと解釈できる。

②「図のテロリストの判断は、危害という結果よりも行為者の意図を重視するものと解釈できる」
誤り。
図のテロリストは意図あり・危害なしに寛容で、意図なし・危害ありに厳しい。結果より意図を重視するという解釈は逆である。

③「カントの義務論では、生み出された結果が良ければ動機にかかわらず行為は善とされる」
誤り。
カントの義務論は結果ではなく善意志という動機によって行為の善さを判断する。結果が良ければ善とするのは帰結主義の説明である。

④「功利主義では、行為の動機が善意志に基づくかどうかだけが道徳的評価の基準とされる」
誤り。
動機が善意志に基づくかを基準とするのはカントである。功利主義は行為が生み出す幸福という結果を基準とする。

覚えるポイント

  • 一般市民の意図重視はカントの義務論に近い
  • テロリストの結果重視は功利主義的な発想に近い
  • 功利主義の基準は社会全体の幸福の最大化

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

KZ-R6TB-02KZ-R7H-01