KO5-009|公共・政治経済 対策問題
親鸞の思想の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
自力で善を行えない悪人こそ阿弥陀仏の救いの本来の対象であるという悪人正機を説いた
この問題のポイント
浄土真宗の開祖親鸞の悪人正機の理解を問う。道元の只管打坐、日蓮の題目、一遍の踊念仏との宗派の入れ替えが定番のひっかけ。
解説
親鸞は鎌倉時代の僧で、専修念仏を説いた法然の弟子である。師の教えをさらに徹底させ、浄土真宗の開祖と仰がれる。
親鸞によれば、人間は皆、煩悩を離れられない存在であり、自分の力で善を積んで救われようとする自力の心こそ、阿弥陀仏への疑いにほかならない。そこで、自らの力では善を行えないと自覚した悪人こそが、阿弥陀仏の本願による救いの本来の対象である。これが悪人正機であり、『歎異抄』には、善人でさえ往生できるのだから悪人はなおさらである、という趣旨の言葉が伝えられている。
救いはすべて阿弥陀仏の力によるという絶対他力の立場に立ち、念仏さえも自分の行いではなく仏の働きであるとされた。晩年には、はからいを捨てて自然の働きに任せる自然法爾の境地が説かれた。
ひっかけポイント
只管打坐は曹洞宗の道元、題目は日蓮宗の日蓮、踊念仏は時宗の一遍。鎌倉仏教は「人物と実践方法の組合せ」の入れ替えが最頻出の型である。
選択肢の確認
①「ひたすら坐禅に打ち込む只管打坐によって悟りに至ると説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 只管打坐(ひたすら坐禅)は曹洞宗の道元の教えである。親鸞は坐禅ではなく阿弥陀仏への信心を説いた。
②「南無妙法蓮華経の題目を唱えることで救われると説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 南無妙法蓮華経の題目を唱えることを勧めたのは日蓮である。念仏(南無阿弥陀仏)と題目の混同は鎌倉仏教の定番のひっかけ。
③「踊念仏を行いながら諸国を遊行して教えを広めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 踊念仏で諸国を遊行したのは時宗の一遍である。同じ念仏系でも実践の形が異なる。
④「自力で善を行えない悪人こそ阿弥陀仏の救いの本来の対象であるという悪人正機を説いた」
✅ 正しい。
正解。親鸞は、自力で善を積めると思う人よりも、自らの無力を自覚した悪人こそ阿弥陀仏の本願による救いの本来の対象であるとする悪人正機を説いた。絶対他力の立場である。
覚えるポイント
- 悪人正機は自力で善を行えない悪人こそ救いの対象という教え
- 絶対他力、念仏も阿弥陀仏の働き
- 師の法然は専修念仏、親鸞は浄土真宗の開祖
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。