KO5-010|公共・政治経済 対策問題
国学を大成した本居宣長の思想の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
古事記などの古典研究を通じて漢意を排し、生まれながらの真心に従って生きる古の道を明らかにしようとした
この問題のポイント
国学の大成者本居宣長の思想を問う。漢意と真心の対比、もののあはれ論という核心を、蘭学者や心学者と混同しないことが鍵。
解説
国学は、儒教や仏教が伝わる以前の日本人固有の考え方を、古典の実証的な研究によって明らかにしようとする学問である。契沖や賀茂真淵らに始まり、18世紀の本居宣長が大成した。
宣長は35年をかけて『古事記伝』を著し、古事記の詳細な注釈を通じて、神々の伝える道である惟神の道(古道)を探究した。
彼は、儒教や仏教の影響を受けた理屈っぽい心の在り方を漢意と呼んで退け、生まれながらの自然でありのままの心である真心に従って生きることを理想とした。
また『源氏物語玉の小櫛』では、文学の本質は道徳的な教訓ではなく、物事に触れて生まれるしみじみとした感動、すなわちもののあはれを知ることにあると論じた。
ひっかけポイント
宣長は儒教道徳の立場から感情を退けたのではなく、その逆に、道徳的教訓を離れてもののあはれの感情を重んじた。解剖書の翻訳は杉田玄白ら蘭学者、心学は石田梅岩で学問の系統が異なる。
選択肢の確認
①「儒学の立場から、もののあはれのような感情に流されない道徳的規範を重視した」
❌ 誤り。
誤答理由: 宣長は儒学の道徳的規範をむしろ漢意として退け、源氏物語玉の小櫛では文学の本質をもののあはれという感情に求めた。儒学の立場という説明は正反対。
②「オランダ語の解剖書を翻訳し、西洋医学の実証性を紹介した」
❌ 誤り。
誤答理由: オランダ語の解剖書(解体新書)の翻訳は杉田玄白・前野良沢ら蘭学者の業績で、国学とは学問の系統が異なる。
③「石門心学を創始し、町人の道徳として正直と倹約を説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 石門心学を創始し正直・倹約を説いたのは石田梅岩である。町人の実践道徳と古典研究の国学は別の学問である。
④「古事記などの古典研究を通じて漢意を排し、生まれながらの真心に従って生きる古の道を明らかにしようとした」
✅ 正しい。
正解。本居宣長は35年をかけて古事記伝を著し、儒仏の影響を受けた漢意を排して、生まれながらの真心に従う惟神の道(古道)を明らかにしようとした。
覚えるポイント
- 漢意を排して真心に従う、惟神の道の探究
- 古事記伝は35年をかけた古事記の注釈
- 文学の本質はもののあはれを知ること
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。