KO8-017|公共・政治経済 対策問題
立憲主義の考え方の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
憲法によって国家権力を制限し、個人の権利・自由を保障しようとする考え方である
この問題のポイント
立憲主義の定義を問う。憲法が縛る相手は国民ではなく国家権力である、という向きの理解が核心。
解説
立憲主義とは、憲法によって国家権力を制限し、個人の権利・自由を保障しようとする考え方である。
近代憲法は、国民を縛るためではなく、権力を縛るための法として生まれた。1789年のフランス人権宣言第16条が「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、憲法を持つとはいえない」と述べたように、人権保障と権力分立が立憲主義的憲法の2大要素とされる。
日本国憲法もこの系譜に立つ。第99条が憲法尊重擁護義務を負う者として天皇・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員を挙げ、国民を挙げていないのは、憲法が権力担当者を縛る法だからである。
また、たとえ多数決による決定でも、憲法が保障する少数者の人権を侵すことはできない。立憲主義には、多数派の力から少数者を守るという民主主義への歯止めの役割もあるのである。
ひっかけポイント
憲法尊重擁護義務(99条)を負うのは公務員であって国民ではない。「憲法は国民を縛る」と向きを逆にした選択肢が定番の誤り。
選択肢の確認
①「憲法は一度制定したら永久に改正できないとする考え方である」
❌ 誤り。
日本国憲法は96条に改正手続を定めており、永久に改正できないわけではない。改正要件が厳しい硬性憲法である。
②「憲法によって国家権力を制限し、個人の権利・自由を保障しようとする考え方である」
✅ 正しい。
正解。立憲主義は憲法によって国家権力を制限し個人の権利・自由を保障する考え方で、人権保障と権力分立を2大要素とする。
③「憲法は国民の義務を列挙し、国民を統制するための文書であるとする考え方である」
❌ 誤り。
近代憲法は国民を統制するためではなく権力を縛るための法であり、99条の憲法尊重擁護義務も公務員に課され国民には課されていない。
④「多数決で決めたことであれば、憲法に反しても実行できるとする考え方である」
❌ 誤り。
多数決でも憲法の保障する少数者の人権は侵せない。立憲主義には多数派への歯止めの役割がある。
覚えるポイント
- 立憲主義=憲法で権力を制限し人権を保障
- 要素は人権保障と権力分立(フランス人権宣言16条)
- 99条の憲法尊重擁護義務は公務員が対象、国民は含まれない
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。