KO8-016公共・政治経済 対策問題

公共A 公共の扉(3) 公共的な空間における基本的原理

「法の支配」の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

国王や政府といった権力者も法に拘束され、法は個人の権利・自由を守る内容でなければならない

この問題のポイント

法の支配の意味を問う。権力者も法に従うことに加え、法の内容が人権保障にかなうことまで要求する点が、形式的法治主義との違い。

解説

法の支配は、イギリスで発達した原理で、「人の支配」に対立する概念である。国王や政府などの権力者も法に拘束されることを核心とし、13世紀のマグナ・カルタや、17世紀に裁判官コークが引用した「国王といえども神と法の下にある」という言葉にその精神が表れている。
重要なのは、法の支配が法の内容まで問う点である。法は個人の権利・自由を守るものでなければならず、議会が作った法律でも人権を不当に侵害する内容なら正当化されない。
これに対し、戦前のドイツで発達した形式的法治主義は、法律という形式さえ整っていれば内容を問わなかったため、「悪法もまた法なり」として人権侵害を許す結果を招いた。日本国憲法は、違憲審査制や憲法の最高法規性(98条)によって法の支配を制度化している。

ひっかけポイント
「法律の形式さえあれば内容を問わない」のは形式的法治主義。法の支配は内容の正しさ(人権保障)まで要求する点で区別する。

選択肢の確認

①「法律よりも権力者の命令が優先される統治の原理である」
誤り。
権力者の命令が法に優先するのは「人の支配」であり、法の支配はこれに対立する原理である。

②「裁判所は行政の判断に一切干渉できないとする原理である」
誤り。
裁判所が行政を審査できないとする原理ではなく、日本国憲法はむしろ違憲審査制によって法の支配を具体化している。

③「国王や政府といった権力者も法に拘束され、法は個人の権利・自由を守る内容でなければならない」
正しい。
正解。法の支配は権力者も法に拘束されるとする原理であり、さらに法の内容が個人の権利・自由の保障にかなうことまで要求する。

④「議会が制定した法律であれば、内容を問わず統治は正当化される」
誤り。
法律の形式さえあれば内容を問わないのは形式的法治主義であり、「悪法もまた法なり」として人権侵害を許した戦前ドイツの経験が反省されている。

覚えるポイント

  • 法の支配=権力者も法に拘束される+法の内容も人権保障にかなう
  • 形式的法治主義は内容を問わず、悪法も法となる危険
  • 日本国憲法は違憲審査制・最高法規性で法の支配を具体化

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

KO8-015KO8-017