KO-A3-02|公共・政治経済 対策問題
法の支配の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
国王や政府の権力も憲法や法に拘束されるという原理であり、国民の権利・自由の保障を目的とする
この問題のポイント
法の支配の意味を問う問題。「権力も法に従う」「目的は人権保障」という2点を、人の支配や形式的な法治主義と区別できるかが鍵。
解説
法の支配とは、国王や政府といった統治権力も法に拘束されるという原理である。統治者の意思が無制限に通用する人の支配の対概念であり、その目的は国民の権利・自由の保障にある。
この原理はイギリスで発達した。17世紀、国王の権力は法に縛られないと主張するジェームズ1世に対し、裁判官コーク(クック)は、13世紀の法律家ブラクトンの「国王は何人の下にも立たない。しかし神と法の下にある」という言葉を引いて対抗した。ここでいう法とは、議会や裁判所が積み重ねてきたコモン・ロー(慣習法)である。
注意すべきは、法の支配では法の内容が問題になることである。人権を不当に侵す法律は、たとえ議会が制定しても法の支配に反する。この点で、法律の形式さえ整っていればよいとした、かつてのドイツ流の形式的法治主義とは区別される。現代では違憲審査制が法の支配を支える仕組みとなっている。
ひっかけポイント
「法律に基づけば人権制限も自由」は形式的法治主義の説明で、法の支配とは似て非なるもの。ブラクトンの言葉は王権を法で縛る側の論拠である点にも注意。
選択肢の確認
①「統治者の意思がそのまま法となる人の支配と同じ意味の原理である」
❌ 誤り。
誤答理由: 人の支配は統治者の意思が無制限に通用する状態で、法の支配はその対概念である。両者を同義とする説明は定義の取り違えである。
②「『国王は何人の下にも立たない。しかし神と法の下にある』という言葉は、王権神授説を支持するものである」
❌ 誤り。
誤答理由: ブラクトンの言葉は、国王も法に従うべきだとするコークの主張の根拠であり、王権神授説に対抗するものだった。
③「国王や政府の権力も憲法や法に拘束されるという原理であり、国民の権利・自由の保障を目的とする」
✅ 正しい。
正解。法の支配は国王・政府の権力も憲法や法に拘束されるとする原理で、その目的は国民の権利・自由の保障にある。
④「議会が制定した法律にさえ基づけば、人権をどのように制限してもよいという原理である」
❌ 誤り。
誤答理由: 法律の形式さえあれば人権制限も許されるとするのは、かつてのドイツ流の形式的法治主義であり、内容の正しさまで問う法の支配とは異なる。
覚えるポイント
- 法の支配=権力も法に従う、目的は人権保障
- コークがブラクトンの言葉を引いて国王に対抗
- 内容を問わない形式的法治主義とは区別する
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。