KO8-037公共・政治経済 対策問題

公共B 社会に参画する私たち(1) 法的な主体となる私たち

契約自由の原則に法律で修正が加えられている理由として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

事業者と消費者の間には情報力や交渉力の格差があり、形式的な自由だけでは対等な合意が成り立たないから

この問題のポイント

消費者保護法制の存在理由を問う。当事者間の格差が形式的平等を実質的不平等にする、という論理をつかめているかがポイント。

解説

近代の民法は、対等な個人どうしが自由な意思で契約を結ぶという契約自由の原則を土台としてきた。
しかし現代の消費社会では、事業者は商品についての専門知識や豊富な取引経験を持つのに対し、消費者は情報力・交渉力で圧倒的に劣る。契約条項は事業者が一方的に用意し、消費者は受け入れるかどうかしか選べないことも多い。このような構造的な格差の下では、形式的に自由な契約が、実質的には弱い立場の側に不利な内容の押しつけになりかねない。
そこで法は、未成年者取消権クーリング・オフ消費者契約法による取消しや不当条項の無効、PL法の無過失責任などにより、契約自由の原則を修正して実質的な公正を確保しようとしている。「原則(契約の拘束力)と例外(消費者保護)」という構造で理解することが、この分野全体を貫く視点である。

ひっかけポイント
消費者保護は契約自由の否定ではなく、格差を補正して実質的な対等を回復するための修正である。「国家がすべて決める」は行き過ぎで誤り。

選択肢の確認

①「すべての契約は国家が内容を決定すべきだから」
誤り。
国家がすべての契約内容を決定するのは契約自由の否定であり、消費者保護法制は格差の補正にとどまる。

②「消費者は常に合理的に判断でき、保護の必要がないから」
誤り。
消費者が常に合理的に判断できるなら保護は不要だが、現実には情報の格差や心理的な弱さがあるからこそ保護法制が存在する。

③「契約の数を減らして経済活動を抑制するため」
誤り。
消費者保護の目的は経済活動の抑制ではなく、安心して取引できる市場を支えることである。

④「事業者と消費者の間には情報力や交渉力の格差があり、形式的な自由だけでは対等な合意が成り立たないから」
正しい。
正解。事業者と消費者の間の情報力・交渉力の構造的格差の下では形式的な契約自由が実質的な不公正を生むため、法による修正が必要となる。

覚えるポイント

  • 契約自由の原則は対等な当事者を前提とする
  • 事業者と消費者には情報力・交渉力の構造的格差
  • 取消権・クーリング・オフ等は格差補正のための例外

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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