WT9-K10|歴史総合・世界史探究 対策問題
宋代に大成された朱子学について述べた文として正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
朱熹が大成し、大義名分論は朝鮮や日本の思想にも大きな影響を与えた
この問題のポイント
朱子学を問う。南宋の朱熹による大成と、大義名分論が朝鮮・日本へ与えた影響という東アジア規模の広がりが核心。
解説
前提として、宋代の中国では、経典の字句解釈にとどまっていた従来の儒学を、宇宙の原理から人間の生き方までを貫く哲学体系へ再構築する動きが起こった(宋学)。
これを大成したのが南宋の朱熹(朱子)である。朱子学は、宇宙の原理(理)と万物の素材(気)で世界を説明し、理を極める学問修養(性即理・格物致知)を説いた。
君臣・父子の名分を正す大義名分論は、体制を支える思想として歴代王朝の科挙の正統教学となった。
影響は中国にとどまらない。朝鮮王朝は統治理念として採用し、日本でも江戸幕府が官学(林家の学問)として重んじた。東アジア共通の思想基盤である。
明代には、実践を重んじ「知行合一」を説く王守仁(王陽明)の陽明学が朱子学を批判して対抗した。この対比が定番である。
ひっかけポイント
朱子学(朱熹・理の探究・体制の学)と陽明学(王守仁・知行合一・実践重視)の対比の入れ替えが最頻出。老子は道家の祖であり全く別系統。
選択肢の確認
①「老子が創始した」
❌ 誤り。
老子は道家の祖とされる人物であり、朱子学は儒学を再構築した学問で系統が異なる。
②「実践より暗記を重視する科挙対策の学問にとどまった」
❌ 誤り。
朱子学は理と性を探究する哲学体系であり、日々の修養という実践も重んじたため、暗記中心の科挙対策にとどまるものではない。
③「中国国外には伝わらなかった」
❌ 誤り。
朱子学は朝鮮王朝の統治理念や江戸幕府の官学となるなど広く国外へ伝わっている。
④「朱熹が大成し、大義名分論は朝鮮や日本の思想にも大きな影響を与えた」
✅ 正しい。
南宋の朱熹が、宇宙の原理である理と人間の本性を結ぶ体系として儒学を再構築し、君臣の名分を正す大義名分論を説いた。朝鮮王朝の統治理念となり、日本でも江戸幕府の官学となった。
覚えるポイント
- 朱子学は南宋の朱熹が大成
- 大義名分論が朝鮮王朝・江戸幕府の官学に
- 明代の陽明学(王守仁・知行合一)と対比
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。