KO-A3-03|公共・倫理 対策問題
民主政治における多数決と少数意見の関係についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
多数決は全員一致が困難な集団の意思決定を可能にするが、多数者が常に正しいとは限らないため、決定前の十分な討議と少数意見の尊重が必要である
この問題のポイント
多数決原理の長所と限界を問う問題。「決定を可能にする手続」であって「正しさの保証」ではない、という多数決の性格をつかめば解ける。
解説
多様な人々からなる公共的な空間では、全員の意見が一致することはまれである。そこで民主政治は、より多くの人が支持する案を集団の決定とする多数決を用いる。全員一致を待たずに決定でき、一人一票の平等にもかなう手続である。
しかし多数決には限界がある。多数者の判断が誤ることもあるし、多数派が数の力で少数派の権利を踏みにじる「多数者の専制」に陥る危険もある。トックビルやミルが警告した通りである。
だからこそ、決定の前には少数意見にも耳を傾ける十分な討議が必要であり、決定後も批判の自由を保障して見直しの道を残さなければならない。多数決は討議と結び付いてはじめて正当性をもつ。
さらに、思想・良心の自由のような基本的人権は、多数決によっても奪えない領域として憲法で保障されている。これが立憲主義の考え方であり、多数決万能論への歯止めとなっている。
ひっかけポイント
「多数決の結果は常に正しい」「人権制限も多数決で正当化できる」は、多数者の専制と立憲主義の観点から明確な誤り。少数意見の尊重は「常に採用」ではなく「討議で考慮」である。
選択肢の確認
①「多数決によりさえすれば、個人の基本的人権をどのように制限する決定も正当化される」
❌ 誤り。
誤答理由: 基本的人権は多数決によっても奪えない権利として憲法で保障される。多数決万能論は立憲主義に反する。
②「多数決は全員一致が困難な集団の意思決定を可能にするが、多数者が常に正しいとは限らないため、決定前の十分な討議と少数意見の尊重が必要である」
✅ 正しい。
正解。多数決は全員一致が困難な集団の意思決定手続だが、多数者も誤りうるため、決定前の十分な討議と少数意見の尊重が正当性の条件となる。
③「多数決で決まった結論は常に正しいので、決定を見直す仕組みは必要ない」
❌ 誤り。
誤答理由: 多数者の判断が常に正しい保証はなく、トックビルらは多数者の専制を警告した。批判と見直しの自由を残すことが民主政治の条件である。
④「少数意見の尊重とは、少数派の主張を常にそのまま採用することを意味する」
❌ 誤り。
誤答理由: 少数意見の尊重とは討議の中で少数意見を検討することであり、少数派の主張を常に採用することではない。
覚えるポイント
- 多数決は決定の手続であり正しさの保証ではない
- 多数者の専制の危険→討議と少数意見の尊重が不可欠
- 基本的人権は多数決でも奪えない(立憲主義)
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。