KO2-A08公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

日本の思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

本居宣長は『源氏物語』などの古典研究を通じて、物事に触れて自然にわき起こるしみじみとした感情である、もののあはれを重んじた

この問題のポイント

日本の思想家と学説の対応を問う問題。「本居宣長=国学・もののあはれ」を軸に、伊藤仁斎(儒学)や和辻哲郎(間柄的存在)と区別できるかが鍵。

解説

江戸時代には、日本の古典に立ち返って日本人固有の精神を探る国学が興った。その大成者が本居宣長である。
宣長は『古事記』の研究に生涯を捧げ(『古事記伝』)、また『源氏物語』の本質を、教訓や道徳ではなく「もののあはれ」に見いだした。もののあはれとは、物事に触れたときに自然とわき起こる、しみじみとした感情の動きである。宣長は、儒教や仏教の教えで理屈っぽく考える心を漢意(からごころ)と呼んで退け、ありのままの素直な心(真心)を理想とした。
一方、伊藤仁斎は儒学の立場から、朱子学を批判して『論語』『孟子』の原典に直接立ち返る
古義学
を唱え、仁愛と誠を重んじた。国学の人ではない。
近代の哲学者和辻哲郎は、人間は孤立した個人ではなく、人と人との間柄において存在するとする間柄的存在の人間観を示した(『人間の学としての倫理学』『風土』)。

ひっかけポイント
国学(宣長)と儒学(仁斎)の学統の入れ替えが定番。宣長は儒仏を漢意として批判した側であり、「儒教が理想」とする記述は正反対である。

選択肢の確認

①「国学を大成したのは、古義学を唱えた伊藤仁斎である」
誤り。
誤答理由: 伊藤仁斎は『論語』などの原典に立ち返る古義学を唱えた儒学者であり、国学の大成者は本居宣長である。

②「和辻哲郎は、人間を他者との関係から切り離された孤立した個人としてのみとらえた」
誤り。
誤答理由: 和辻哲郎は人間を人と人との関係においてとらえる間柄的存在の人間観を示した。孤立した個人としてのみとらえたという説明は正反対である。

③「本居宣長は『源氏物語』などの古典研究を通じて、物事に触れて自然にわき起こるしみじみとした感情である、もののあはれを重んじた」
正しい。
正解。本居宣長は国学の大成者で、『源氏物語』の本質を、物事に触れて自然にわき起こる感情である「もののあはれ」に見いだした。

④「本居宣長は、儒教や仏教の教えこそ日本人本来の理想の生き方であると説いた」
誤り。
誤答理由: 宣長は儒教・仏教の理屈っぽい考え方を漢意(からごころ)と呼んで批判し、素直な真心を理想とした。儒教を理想としたという説明は逆である。

覚えるポイント

  • 本居宣長=国学の大成者、もののあはれ・真心
  • 漢意(儒仏の理屈)を批判、『古事記伝』を著す
  • 伊藤仁斎=古義学、和辻哲郎=間柄的存在

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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