KO5-014公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

功利主義の思想の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

ベンサムは快楽の量的な計算を重視し、ミルは快楽には質の違いがあるとして精神的快楽を重んじた

この問題のポイント

功利主義の内部でのベンサムとミルの違いを問う。量的功利主義と質的功利主義の対比、結果を重視する帰結主義という枠組みが鍵。

解説

功利主義は、行為の善悪をその行為がもたらす結果、すなわち幸福(快楽)の増減によって判断する思想である。
創始者ベンサムは、最大多数の最大幸福を社会の目指すべき目標とし、快楽は強さ・持続性などの基準で量的に計算できるとした(量的功利主義)。また人々を社会全体の幸福に向かわせる外的な強制力として、法律的制裁などの制裁(サンクション)を重視した。
これに対しミルは、快楽には量だけでなく質の違いがあるとし、感覚的快楽よりも精神的快楽を重んじた(質的功利主義)。満足した豚であるより不満足な人間である方がよく、満足した愚か者であるより不満足なソクラテスである方がよいという言葉がその立場を示す。
ミルはまた『自由論』で、個人の自由への干渉が許されるのは他者に危害を加える場合に限るという他者危害原理を説いた。

ひっかけポイント
量的(ベンサム)と質的(ミル)の入れ替えが最頻出。功利主義は結果で判断する帰結主義であり、動機を重視するカントの義務論と正反対である点も対比で問われる。

選択肢の確認

①「ミルはすべての快楽を同質とみなし、快楽計算によって行為を評価した」
誤り。
誤答理由: すべての快楽を同質とみなして計算するのはベンサムの立場である。ミルはむしろ快楽の質的な違いを主張した。人物が逆。

②「ベンサムは肉体的快楽より精神的快楽の質的な優位を主張した」
誤り。
誤答理由: 精神的快楽の質的優位を説いたのはミルである。満足した豚より不満足なソクラテスという言葉はミルのもので、ベンサムに帰すのは誤り。

③「功利主義は行為の結果を無視し、動機の善さのみで善悪を判断する」
誤り。
誤答理由: 功利主義は行為の結果(幸福の増減)で善悪を判断する帰結主義である。動機のみで判断するのはカントの義務論で、立場が正反対。

④「ベンサムは快楽の量的な計算を重視し、ミルは快楽には質の違いがあるとして精神的快楽を重んじた」
正しい。
正解。ベンサムは快楽を強さ・持続性などで量的に計算できるとし(量的功利主義)、ミルは快楽に質の差を認めて精神的快楽を重んじた(質的功利主義)。

覚えるポイント

  • ベンサムは最大多数の最大幸福と快楽計算(量的)
  • ミルは快楽の質を重視、他者危害原理も主張
  • 功利主義は結果重視、動機重視のカントと対比

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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