KO5-015公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

カントが行為の善さをどこに求めたかの説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

行為の善さは結果ではなく善意志に基づく動機にあり、人格を単に手段としてのみ扱ってはならないと説いた

この問題のポイント

カントの動機主義と人格主義の理解を問う。定言命法と仮言命法の区別、意志の自律としての自由という独自の自由観が判断の軸。

解説

ドイツの哲学者カントは、行為の善悪を結果で判断する功利主義とは対照的に、動機を重視した。無条件に善いといえるのは、義務を義務として果たそうとする善意志だけである。
道徳法則は、もし〜したければ〜せよという条件付きの仮言命法ではなく、無条件に〜せよと命じる定言命法の形をとる。カントはその形式を、あなたの意志の格率が常に同時に普遍的立法の原理として妥当するように行為せよ、と定式化した。
また人間は、自ら道徳法則を立ててそれに自発的に従う意志の自律をもつ存在であり、これこそが自由である。欲求のままに行動することは、欲求に支配された他律にすぎない。
自律的な存在としての人間は尊厳をもつ人格であり、自他の人格を単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱えと説いた。人格が互いを目的として尊重し合う理想の共同体は目的の国と呼ばれる。

ひっかけポイント
結果で判断するのは功利主義で、カントは動機主義。道徳法則は仮言命法ではなく定言命法であり、自由は欲求のままの行動ではなく意志の自律である点が、いずれも逆で出題される。

選択肢の確認

①「道徳法則は、もし幸福になりたければこうせよという条件付きの命令の形をとるとした」
誤り。
誤答理由: 条件付きの命令は仮言命法であり、カントは道徳法則を無条件の定言命法としてとらえた。二つの命法の取り違えを突く選択肢。

②「自由とは欲求のままに行為することであるとした」
誤り。
誤答理由: カントにとって自由とは欲求のままの行動(他律)ではなく、自ら立てた道徳法則に自発的に従う意志の自律である。自由観が正反対。

③「行為の善さは結果ではなく善意志に基づく動機にあり、人格を単に手段としてのみ扱ってはならないと説いた」
正しい。
正解。カントは結果ではなく善意志に基づく動機を重視し(動機主義)、尊厳をもつ人格を単に手段としてのみ扱わず常に同時に目的として扱えと説いた。

④「最大多数の最大幸福をもたらすかどうかで行為の善悪を判断した」
誤り。
誤答理由: 最大多数の最大幸福という結果による判断は功利主義の立場である。カントは幸福という結果ではなく義務に基づく動機を基準とした。

覚えるポイント

  • 無条件に善いのは善意志のみ、動機主義の立場
  • 道徳法則は定言命法、意志の自律こそ自由
  • 人格を単に手段としてのみ扱うな、理想は目的の国

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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