KO5-016|公共・倫理 対策問題
ヘーゲルの思想の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
矛盾や対立を止揚してより高い次元へ進む弁証法を説き、自由が実現する人倫を家族・市民社会・国家の三段階でとらえた
この問題のポイント
ヘーゲルの弁証法と人倫の三段階の理解を問う。止揚は対立の単なる排除ではないこと、人倫の完成が国家である点が判断の軸。
解説
ドイツ観念論を大成したヘーゲルは、あらゆる存在は矛盾・対立を通じて発展すると考えた。あるもの(正)にそれと対立するもの(反)が現れ、両者が止揚(アウフヘーベン)されてより高い次元(合)へ進む。この論理が弁証法である。止揚とは、対立する両者を単に捨て去るのではなく、それぞれの本質的な内容を生かしながら統一することを意味する。
ヘーゲルにとって歴史とは、世界精神が自らの本質である自由を実現していく過程である。
自由は個人の内面だけでは完成せず、社会の制度の中で実現される。カントの道徳(内面的)と法(外面的)を統合したものが人倫であり、それは家族(愛による結合)、市民社会(独立した個人が欲求を追求する場で、人倫の喪失態とも呼ばれる)、そして両者を統合する国家の三段階で展開するとした。
ひっかけポイント
人倫の完成は家族ではなく国家であり、順序の入れ替えが定番。止揚を「一方の排除」とする説明や、歴史を自由と無関係とする説明は、弁証法と世界精神の理解に反する。
選択肢の確認
①「歴史は理性や自由とは無関係に、偶然によってのみ動くとした」
❌ 誤り。
誤答理由: ヘーゲルは歴史を世界精神が自由を実現していく理性的な過程とみた。偶然のみで動くという説明は彼の歴史観の正反対である。
②「矛盾や対立を止揚してより高い次元へ進む弁証法を説き、自由が実現する人倫を家族・市民社会・国家の三段階でとらえた」
✅ 正しい。
正解。ヘーゲルは矛盾・対立を止揚して高次の統一へ進む弁証法を論理とし、自由が現実化する人倫を家族・市民社会・国家の三段階でとらえ、国家をその完成とした。
③「人倫の最高段階は家族であり、国家は自由の実現と無関係であるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: ヘーゲルにおいて人倫の最高段階は家族ではなく、家族と市民社会を統合する国家である。国家を自由の実現と無関係とする点も彼の国家観に反する。
④「弁証法とは、対立する一方を単に排除して他方だけを残す方法である」
❌ 誤り。
誤答理由: 止揚(アウフヘーベン)は対立する一方を単に排除するのではなく、両者の本質的内容を生かしながらより高い次元で統一することを意味する。
覚えるポイント
- 弁証法は正・反・合、止揚は生かしつつ統一
- 歴史は世界精神が自由を実現する過程
- 人倫は家族・市民社会・国家の三段階で完成
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。