KO8-008|公共・倫理 対策問題
アーレントが重視した「活動」の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
言葉を通じて他者と関わり合い、公共的な空間を作り出す営み
この問題のポイント
アーレントの「労働・仕事・活動」の区別のうち、「活動」の内容を問う。言論による他者との関わりが公共性を生む、という点が核心。
解説
アーレントは20世紀の政治哲学者で、著書「人間の条件」において人間の営みを3つに区別した。
労働は、食べることなど生命を維持するための営みである。仕事は、道具や作品など、使用に耐える物を作り出す営みである。そして活動は、物を介さずに、言葉を通じて自分の考えを示し、他者と直接関わり合う営みを指す。
アーレントは、複数の人間が言論を交わし合う活動の中にこそ、公共的な空間が立ち現れると考えた。人はそれぞれ異なる存在である(複数性)からこそ、対話を通じて共通の世界を作ることに意味がある。彼女は、人々が私的な利害にのみ閉じこもり公共的な空間が失われるとき、全体主義のような危険が生じると警告した。公共という科目の理念に直結する思想家として頻出である。
ひっかけポイント
生命維持=労働、物の制作=仕事、言論による関わり=活動、の3区分の入れ替えが定番。「活動」だけが物を介さない対人的な営みである。
選択肢の確認
①「他者との関わりを断って瞑想する営み」
❌ 誤り。
アーレントの活動は他者との関わりそのものであり、他者との関わりを断つ営みは活動の正反対である。
②「言葉を通じて他者と関わり合い、公共的な空間を作り出す営み」
✅ 正しい。
正解。アーレントは言葉を通じて他者と関わり合う「活動」の中に公共的な空間が立ち現れるとし、これを人間の最も重要な営みとした。
③「生命を維持するために食料などを生産する営み」
❌ 誤り。
生命維持のための生産の営みは「労働」であり、アーレントの区分では活動と明確に区別される。
④「道具や作品など耐久性のある物を作り出す営み」
❌ 誤り。
耐久性のある物を作り出す営みは「仕事」であり、物を介さない対人的な営みである活動とは異なる。
覚えるポイント
- アーレントは営みを労働・仕事・活動に3区分
- 活動=言葉による他者との関わり、公共的空間を生む
- 複数性(人はそれぞれ異なる)が活動の前提
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。