RN8-019公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(6) 実存主義とプラグマティズム

デューイの道具主義の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 2

正解

知性は、生活上の問題を解決し環境を改善するための道具であると考えた

この問題のポイント

デューイの道具主義の内容を問う。知性を問題解決の道具とみなす考え方で、知識それ自体を目的とする伝統的な知性観との対比が軸になる。

解説

デューイは19世紀末から20世紀半ばのアメリカの哲学者で、プラグマティズムの大成者である。
彼の立場は道具主義と呼ばれる。人間は環境との相互作用の中で生きており、生活の中でさまざまな問題状況に直面する。知性や観念、理論は、そうした問題を解決し、環境をよりよく改善していくための道具である、というのがその核心である。ちょうど大工が状況に応じて道具を使い分けるように、観念も問題解決に役立つかどうかで評価され、改良されていく。
このように、状況に応じて働き、未来を切り開いていく知性を、デューイは創造的知性(実験的知性)と呼んで重視した。知識をそれ自体で完結した観想の対象とみなす伝統的な立場を退け、知性を社会の進歩と改良に奉仕させようとしたのである。この思想は彼の教育論・民主主義論の土台となった。主著に『民主主義と教育』『哲学の改造』がある。

ひっかけポイント
道具主義とは人間を道具扱いする思想ではなく、知性を道具とみる思想。格率の提唱はパースであり、デューイの用語(道具主義・創造的知性)と対応させて覚える。

選択肢の確認

①「知識の追求はそれ自体が目的であり、実生活への応用は知の堕落だと考えた」
誤り。
知識それ自体を目的とし応用を堕落とみる観想的な知性観こそ、デューイが退けた伝統的立場である。

②「知性は、生活上の問題を解決し環境を改善するための道具であると考えた」
正しい。
正解。デューイの道具主義は、知性を生活上の問題を解決し環境を改善するための道具とみなし、その働きを創造的知性と呼んだ。

③「人間は大規模な機械体系の道具として労働に従事すべきであると考えた」
誤り。
道具主義とは人間を機械の道具として扱う思想ではなく、知性の役割を道具にたとえた理論である。

④「概念の意味はそれがもたらす行動の結果によって明らかになるという格率を立てた」
誤り。
行動の結果から概念の意味を明らかにする格率はパースの提唱であり、デューイの道具主義の定義ではない。

覚えるポイント

  • 道具主義=知性は問題解決と環境改善の道具
  • その知性を創造的知性(実験的知性)と呼ぶ
  • 主著は『民主主義と教育』『哲学の改造』

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN8-018RN8-020