PE-A2-03公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(2) 日本国憲法と基本的人権

朝日訴訟についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

最高裁は、憲法25条は国の責務を宣言したものであり、個々の国民に具体的な権利を直接与えたものではないという考え方を示した

この問題のポイント

生存権をめぐる朝日訴訟を問う問題。「25条・生活保護・プログラム規定説・厚生大臣の広い裁量」というキーワードの組合せで解ける。

解説

憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」、すなわち生存権を保障する。この規定の法的性格が争われた代表例が朝日訴訟である。
結核で療養していた朝日茂さんが、当時の生活保護基準は低すぎて憲法25条に反すると訴えた裁判で、「人間裁判」とも呼ばれた。
最高裁(1967年)は、原告の死亡により訴訟は終了したとした上で、念のためとして次の見解を示した。25条は国の責務を宣言したものであり、個々の国民に具体的権利を直接与えたものではない。何が「健康で文化的な最低限度の生活」かの判断は厚生大臣の広い裁量に委ねられる。この考え方はプログラム規定説的な立場と呼ばれる。
生存権の性格をめぐっては、その後の堀木訴訟(1982年最高裁)でも立法府の広い裁量が認められた。判例は一貫して、生存権の具体化を国会・行政の判断に委ねる立場をとっている。

ひっかけポイント
プログラム規定説は「具体的請求権を直接保障しない」とする説であり、定義を逆にした選択肢に注意。朝日訴訟=生存権(25条)であり、他の人権と結び付けるのも定番の誤り。

選択肢の確認

①「朝日訴訟は、表現の自由の侵害が争われた訴訟である」
誤り。
誤答理由: 朝日訴訟は生活保護基準の低さと生存権(25条)をめぐる訴訟であり、「人間裁判」と呼ばれた。表現の自由の訴訟ではない。

②「最高裁は、生活保護基準の設定について厚生大臣の裁量を一切認めなかった」
誤り。
誤答理由: 最高裁は生活保護基準の設定を厚生大臣の広い裁量に委ねられるとしており、裁量を一切認めなかったという説明は逆である。

③「プログラム規定説とは、憲法25条が国民に具体的な請求権を直接保障しているとする考え方である」
誤り。
誤答理由: プログラム規定説は、25条が具体的な請求権を直接与えるものではないとする考え方であり、定義が逆になっている。

④「最高裁は、憲法25条は国の責務を宣言したものであり、個々の国民に具体的な権利を直接与えたものではないという考え方を示した」
正しい。
正解。朝日訴訟最高裁判決(1967年)は、憲法25条は国の責務の宣言であり個々の国民への具体的権利の付与ではないとする、プログラム規定説的な立場を示した。

覚えるポイント

  • 朝日訴訟は生活保護基準と生存権(25条)を争った
  • 最高裁は具体的権利性を否定(プログラム規定説的立場)
  • 基準の設定は厚生大臣(行政)の広い裁量に委ねた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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