PE2-B15公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(2) 日本国憲法と基本的人権

環境権についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

環境権は幸福追求権や生存権を根拠に主張されているが、最高裁判所が正面から認めた判決はまだない

この問題のポイント

環境権の法的地位を問う問題。「主張の根拠は13条・25条」「最高裁は未承認」「制度面では環境基本法・アセスメント法が整備」という現状の整理で解ける。

解説

高度経済成長期、水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜんそく・新潟水俣病の四大公害訴訟に象徴される深刻な公害が発生した。その反省の中で、良い環境を享受する権利としての環境権が、13条の幸福追求権25条の生存権を根拠に主張されるようになった。
しかし裁判所は慎重である。大阪空港公害訴訟では、住民が夜間飛行の差止めなどを求め、環境権が正面から主張されたが、最高裁(1981年)は環境権という権利そのものを認めず、損害賠償の一部を認めるにとどまった。現在まで、最高裁が環境権を正面から承認した判決はない
一方、立法・行政による対応は進んだ。1967年の公害対策基本法を発展させて1993年に環境基本法が制定され、1997年には大規模開発の前に環境への影響を調査・評価させる**環境影響評価法(環境アセスメント法)**が制定された。権利としては未確立でも、制度としての環境保護は整備されてきた、という対比が出題の核心である。

ひっかけポイント
「最高裁が認めた」とする選択肢が最大のひっかけで、環境権は判例上未確立。環境アセスメント法は1997年に制定済みであり、「未制定」も誤りである。

選択肢の確認

①「環境権は幸福追求権や生存権を根拠に主張されているが、最高裁判所が正面から認めた判決はまだない」
正しい。
正解。環境権は13条の幸福追求権と25条の生存権を根拠に主張される新しい人権だが、最高裁が正面から権利として認めた判決はまだない。

②「大阪空港公害訴訟で、最高裁は環境権を正面から認めた」
誤り。
誤答理由: 大阪空港公害訴訟(1981年)で最高裁は夜間飛行差止め請求を退け、環境権にも言及しなかった。正面から認めたという記述は誤り。

③「環境影響評価(環境アセスメント)を義務づける法律は、日本では制定されていない」
誤り。
誤答理由: 環境影響評価法(環境アセスメント法)は1997年に制定されている。大規模開発の前に環境への影響を調査・評価することを義務づけている。

④「環境権は、日本国憲法の条文に明文で保障されている」
誤り。
誤答理由: 環境権は憲法に明文の規定がない新しい人権であり、条文で保障されているという記述は誤り。

覚えるポイント

  • 環境権の根拠は13条・25条、憲法に明文なし
  • 大阪空港訴訟など、最高裁は環境権を未承認
  • 環境基本法(1993年)・環境アセスメント法(1997年)

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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