WT9-S16|歴史総合・世界史探究 対策問題
各地の「文字」について述べた文として正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
漢字は周辺地域に伝わり、仮名・チュノムなど各地の文字の母体や刺激となった
この問題のポイント
文字の伝播を問う。漢字が仮名・チュノムなどの母体・刺激となった漢字文化圏の広がりと、非文字社会の記録への視点が核心。
解説
前提として、文字は文明の基盤であり、その伝播と変容は文化圏の広がりを映し出す。
漢字は朝鮮・日本・ベトナムへ伝わり、東アジア漢字文化圏(律令・仏教・儒教とセット)を形成した。各地では漢字を土台に独自の文字が生まれた。
- 日本:漢字を崩した仮名
- ベトナム:漢字を応用したチュノム(字喃)
- 朝鮮:漢字文化を前提としつつ、1446年に世宗が表音文字訓民正音を公布
すべての文字がアルファベット起源というのは誤りで、楔形文字はすでに使われていない。
また、文字を持たない社会にも歴史はある。インカの**キープ(結縄)**や口頭伝承も記録であり、これらを資料として扱うのが現在の歴史学の立場である。「文字がない=歴史がない」という見方こそ問い直される対象である。
ひっかけポイント
漢字文化圏の派生文字(仮名・チュノム・ハングルの背景)の対応が問われる。文字なき社会に歴史なしとする選択肢は、キープなど非文字資料の存在で否定される。
選択肢の確認
①「楔形文字は現在も日常使用されている」
❌ 誤り。
楔形文字は古代オリエントで用いられた文字で、現在は日常的に使用されていない。
②「漢字は周辺地域に伝わり、仮名・チュノムなど各地の文字の母体や刺激となった」
✅ 正しい。
漢字は朝鮮・日本・ベトナムへ伝わり、日本の仮名やベトナムのチュノムを生むなど東アジア漢字文化圏を形成した。
③「文字はすべてアルファベットから派生した」
❌ 誤り。
漢字は独自に成立した表意文字であり、フェニキア文字に由来するアルファベットの系統とは別である。
④「文字を持たない社会には歴史がない」
❌ 誤り。
文字を持たない社会も口承やインカのキープのような方法で記録を残しており、歴史がないとはいえない。
覚えるポイント
- 漢字文化圏=朝鮮・日本・ベトナム(律令・仏教・儒教とセット)
- 仮名(日本)・チュノム(ベトナム)・訓民正音(朝鮮・1446年)
- インカのキープなど非文字の記録も歴史資料
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。